お は な し ど う ぶ つ え ん を 作 ろ う
北 島 雅 晴

 教室後ろの掲示板すべてを使って動物園を作る。ネズミ、猫、犬ゾウ、タヌキ等十数種類いる。動物園にいないものも多い。1年生の子どもたちは、この動物園作りをかなり長い期間続けることができた。
 動物園作りは、次のような手順で行った。
〇動物の出てくる絵本を集める。(学校の図書館の本、教師と児童が持ち寄った本を合わせて80冊程度集まった。)
〇自分の読みたい絵本を選んで読む。
〇読み終わった後、おもしろかったところをカードに書く。
〇登場する動物の台紙にカードを張り、掲示板に張って完成となる。

 学習を始めた頃は、表紙を見て読みたい絵本を決める。ほとんどが1年生に読めそうな本なので、まず1冊読み切ったことに満足する。読んだ後、感想をカードに書くことをいやがる子が出るかと思ったがこちらも意欲的に進めた。手軽に感想を書けることと、動物の形の台紙に張る楽しさがよかったと思う。
 何種類かの動物の型紙を作っておき、子どもたちは別の用紙に写して切り取る。
「先生、おおかみの型紙を作って下さい。」
「わにの型紙がほしいのだけど。」
 あらかじめ用意できてない型紙を求める子が出てくる。始めのうちは、教師は型紙作りに追われた。

 しばらくすると、子どもたちに人気のある絵本が分かってくる。
「ねえ、この本おもしろいで。」
という情報を伝え合い、
「読んだら次に貸してな。」
という声が聞かれるようになる。自然におもしろい絵本の交流が行われるようになった。
 また、シリーズものの絵本を求める子も多くなった。おもしろい絵本に出会い、その絵本がシリーズであると分かると、すべて読もうとする。

 今回の学習は、絵本を楽しく読む体験をすること、本のおもしろいところを見つけることをねらったものである。特に終わりのある学習ではなかったので、子どもの学習の姿を見ながら(そろそろ飽きてこないだろうかということ)学習を進めた。
「次の時間も絵本を読みますか。」
と問い、
「もう少し読みたい。」
という返事が返ってくるまで、絵本を読むことを続けた。そして、教室後ろの動物園も、学習をした財産として残った。
(草津市立草津第二小)