反 応 し な が ら 聞 く こ と の 大 切 さ
伊 庭 郁 夫

 10月12日、全国小学校国語教育研究大会に参加。大きく三つのことを学んだ。

 一つ目は、「聴き合う」学習の大切さ、素晴らしさである。提案は、千葉の國分昭美先生。何より先生ご自身の人を引きつける話し言葉の強さに驚いた。きっと教室でもぐいぐいと子ども達を魅了されていることであろう。ユーモアと信念を感じた。
 6年生の私のクラスには、ほとんど聞き取れない声でしか話をしない子どもがいる。朝の健康観察で、係の子どもが、
「もう一度言って下さい。」
と元気なのかどうか二度、三度と尋ねる。それでも、おなかが痛いのか風邪なのかわからないことがある。
 提案を聞きながら私の関わりを反省した。
「今、おなかが痛いと言わはったよ。耳をすまして聞いていればわかるよ。」
「きのうより、しっかり言えたね。」
等、良い面に着目し自信を持たせることを大切にしようと決意した。

 また、「あいうえお」で反応しながら聞くという指導が興味深かった。
「あー、なるほどね。」 「あっ、そうか。」
「いーねえ。」 「いいぞ、その調子。」
「うーん、よく考えたな。」
「えー、よく気がついたなあ。」
「おー、すばらしい。」
等、頭にあいうえおをつけ、反応するのである。大切なことは、話をしっかり聞いていますということを態度で示すということである。先生が大切にされているという「ありがとう」「いいのよ」「こころまあるく」を私も肝に銘じておきたい。

 二つ目は、総合的な学習の時間との関係で国語科を展開されていたこと。テーマごとに中間発表会をされていたが、実演や視聴覚機器の利用などプレゼンテーションの工夫が随所に見られた。更に、質疑応答が自然な形で展開されていた。方言のコーナーでは、全国から来られた先生方を巻き込んでの楽しい伝えあいの時間があった。

 三つ目は、目に障害のある方をお招きしての授業。教師は、子ども達の声を、ゲストティーチャーに何度かお伝えしたということ。そのため、話の受け答えが大変深まり感動を覚えた。それは、目の前に一人の素晴らしいゲストが来られたことと、子ども達の真剣な聞く構えの両輪がかみあっていたからである。

 遠い地であったが、収穫の大変多い大会であった。
(安曇川町立安曇小)