漢 字 指 導 に つ い て
三 上 昌 男

 漢字の指導に関わって、新学習指導要領では、次のように記述されている。
学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また、当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き、文や文章の中で使うとともに、当該学年に配当されている漢字を漸次書くようにすること。
 当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字を必要に応じて提示する場合は、振り仮名を付けるなど、児童の学習負担が過重にならないよう配慮すること。
漢字を「読む」「書く」「使う」という力に分けて考えてみると、「使う」ことが強調されているように受け止められる。また、語句の読みと意味理解を一層高めることが期待されている。「読む」ことについては従来通りだが、「書く」ことの示し方の解釈をめぐって、現場の指導の在り方が話題となっている。そんな中で、「書きについては、習得に時間がかかるという実態を考慮し、繰り返しの学習を工夫する必要がある。」(初等教育資料4月号)と、文部省の教科調査官が述べておられる。また、確実に書けるようにするため、2学年かけて指導することを求められている。平成14年度版の教科書では、当該学年の配当漢字とともに、前の学年の配当漢字にも印が付けられたり、巻末に示されたりするようである。

 こうした状況の中で、現場の漢字指導は、どのようになっていくのであろうか。4年生の漢字指導を例に考えてみよう。
 4年の配当漢字は、200字である。教科書の教材に提出されている新出漢字と読み替え漢字を単元ごとに指導しているのが現状であろう。読めるだけでなく、何とか書けるように、繰り返し練習させたり漢字テスト等で定着を図ったりしている。また、漢字のへん・つくりなどの構成や漢字辞典の使い方も指導している。国語科のかなりの授業時間を使い、自習時間や家庭学習でも漢字学習に取り組ませている。それでも、漢字を十分に読めない・書けない・使えない実態がある。
 そこに、3年生の配当漢字200字を確実に書けて使えるように指導するとなると、指導時間を増やす必要がある。子どもの学習負担が増す結果になってしまうのではないか、という意見もある。
 これからは、漢字にふれる・親しむ・関心を持つ指導や環境作りを重視する方向に転換していくとともに、自ら漢字を調べる学び方を身につけさせることが大事になってくる。これが、今の私の考えである。
(近江八幡市立金田小)