国 語 の 準 備 運 動
北 島 雅 晴

 体育の学習のはじめに準備運動があるように、国語の学習にも準備運動があってもよいのではないか。「これから国語の学習をはじめるのだ」といったちょっとした緊張感をもったり、「楽しくことばの学習をしていこう」といった期待をもたせたりするものでありたい。
 夏休みを過ぎると、一年生はぐんと大きくなったように感じる。落ち着いて行動できるようになるのだが、本学級では、学習中の声がやや小さくなったことが気にかかる。そこで国語の学習のはじめ五分間を使い、楽しく声を出す練習をしばらく続けることにした。

わたしは、〇〇がすきです。
と書かれたカードを用意する。〇〇の部分を考えさせて、順番に全員発表させる。教室のみんなに聞こえるように話すことが約束となる。
 C 私は、ゆっくりと絵本を読むのが好きです。
 〇〇のところには、「ゲーム」「いちご」といったことばが入るのだろうと予想していたが、一番目に発表した子がすばらしかった。それにつられて、多くの子が個性的なものを取り上げた。
 C ぼくは、バッタをつかまえるのが好きです。
 C 私は、かわいい女の子の絵をかくのが好きです。
 C 私はピアノで「きらきらぼし」をひくのが好きです。
 C ぼくは、オリンピックでサッカーを見るのが好きです。
 子どもの関心のある話題が出てきた時は、その話題で盛り上がって、次の子に進めないほど話が弾 んでしまう。
「ぼくも、昨日スロバキア戦を見たで。」
「オリンピックをやっている時はお父さんが見ていて、自分の好きなテレビが見られない。」

 次の日から、カードの種類を毎日変えていく。かなり盛り上がったのは、「私は、〇〇へ行きたい です」というカード。自分が言いたいことがあると自然に声がはっきりと大きくなる。反対にあまり おもしろくなかったのは「私は、〇〇をがんばります」というカード。まじめな答えしか出てこない ので、聞いている子の反応もよくない。
「私は、Aさんと同じで〇〇が好きです。」
「私は、Bとちがって〇〇をやりたいです。」
といったように、学習での話し合いに生かせるようなカードも取り上げている。その他、教材で出て くることばのカードをもとに短文作り等、準備運動もしだいに広がっている。
(草津市立草津第二小)