「 白 い ぼ う し 」 の 不 思 議
西 秋 英 子

 新学習要領において、重要視されている「伝え合う力」の必要性を子ども達の実態からも実感している。そこで、子ども達が意欲的に取り組める方法でその力をつけたいと考えた。

 授業の概要は次の通りである。
 文学教材「白いぼうし」。音読により作品全体をとらえて、自分の興味のあること、例えば「松井さん」「女の子」等でグループを作り、グループ学習によりテーマ『「白いぼうし」の不思議』について考えてきた。
 そして、パネルディスカッションという形でその交流をはかった。第一部意見発表では、自分たちのみつけたことをグループごとに発表していった。第二部意見交換、話題は「女の子はちょうであった」、「作品の題名はなぜ「白いぼうし」なのか」の二点になった。特に題名についてはグループ学習でのことをもとにしたり、友達の発言を聞いて考えたりしながら話し合い深まっていった。

 研究会では、次の点について意見が出された。
 まず、ディベートとパネルディスカッションについてである。パネルディスカッションは中間的な意見をも取り入れそれぞれの立場から話し合いができる点に目をつけ、今回その形態を取り入れた。しかし、実際話し合いの中では討論の場面を作ることを心掛けた。子ども達は自分とは反対の相手がいる方が意欲的になれるという理由からである。つまり、これがディベートの利点の一つであることを実感した。

 次に、パネルディスカッションの形についてである。多くの子が活躍できるようにという意図から、パネリストの人数に制限を加えなかったため、どのグループも全員で内容を分担し発表していた。資料を使いみんなの前で発表できたことに満足した子どもは多かったが、後の話し合いの場にそれが生きてこなかった。パネリストをしぼっていたなら、フロアーの中からグループの発表を補った意見等も出て、より活発な話し合いになったのではないかということである。次回は、パネリストをしぼった形で実践してみたい。

 今回の研究会を終えて、学習を組み立てる際に重要な点が二つ明かになった。一つは、子ども達が「話したい」「聞きたい」と思う話題の選択である。もう一点は、話し合いのいろいろな形態をよく理解した上で、この実態にはこの教材にはどれがよりよいかを考えて取り組む必要性である。
 反省点、問題点が明確となりよい勉強をさせていただいた。今後も楽しく学べる国語の授業作りに努力していきたい。
(近江町立坂田小)