総合的な学習体験で何が変わるか? と話し合った
森  邦 博

 わずか1学期間の「総合的な学習の時間」の実践だが、本校の研究推進委員会のメンバーに尋ねた。
「総合的な学習の時間の学習で子ども達は変わった?」と。うなずきが返えってきた。
K先生曰く、
「同じものを見ても、総合的な学習の時間の活動の前と後では子どもの見方が変わってきたという実感があります。」
H先生曰く、
「そう、同じ公園でも活動をしない前だと、ただそこにある公園という感じでいた子ども達でした。でも、総合的な学習の時間での活動では『わたしが(の)、○○』した(する・したい)公園となって、そこでの活動を作文に書く場面でも、次々と言葉が出てくる様子。書き上げた作文もよく書けていて驚きました。」
 H、K両先生は3・4年生の担任で、子ども達は「もっと住みよい町にするために何ができるか」との課題を持って考え、公園での実践活動を行ったのだった。

 課題を持って公園に働きかけた結果、それぞれの子に「こだわりや愛着」の気持ちの芽生えが見られる。総合的な学習は「子どもを変える」とまとまりかけたとき、I先生から、
「子ども達の課題も活動も様々、たとえば10の課題と活動があれば、私たちはそのどれにも答えることのできる知識と教材研究をしておかなければならない。だからそう簡単には実践できない。」
との発言が出てきた。
 確かに子ども主体にして単元構想を組んでいくと課題は広がる。適切な助言や支援をしようとしても不十分なところができてしまう。その問題を解決する道筋をきちんと付けてからでないと実践はできないということになる。

「指導観を変えなければならないなあ」と感じて、
「分からなかったら子どもと一緒に考えるように考えを変えてみたら?」
とアドバイスしてみた。
「そんなんでは、十分な結果が出せないでしょう」
と、否定的な意見と、
「教科じゃないんだから、育てるものが違うと思うんですけど」
という肯定的な意見とが返ってきた。
 本校の実践はまだまだ浅い。偉そうなことを言えるような立場ではないが「総合的な学習の時間」 の原点に、何度も戻り戻りして子ども変える実践を作り出してゆきたい。
(大津市立仰木の里東小)