本校図書室の今、そしてこれから
伏 木 清 史

 湖北町には「コホッピー出張サービス」というシステムがある。これは、各学校の要請に応じて、役場の職員の方やそれに準ずる方が学校へ赴き、子どもたちにそれぞれの立場から指導をしてくださるサービスである。
 本校でも、最近、このサービスを利用する機会が増えてきた。4年の社会科の学習に生活環境課の職員の方にTTとして入っていただいたり、6年の社会科の学習で文化振興課の職員の方と一緒に地元の文化遺蹟を訪れたり、といった取り組みが行われている。

 最近よく来ていただくのは、町立図書館設立準備委員会の方。「読書指導」の一環である。先日は、低学年を一堂に集めてブックトークをしていただいた。
 図書室にはない魅力的な本を次々に紹介され、時には読み聞かせで子どもたちを夢中にされる。あっという間の1時間であった。
 その次には、昼休み、図書室で待っていていただいた。放送で「お話会」があることを知った子どもたちが続々と図書室に集まってくる。いつもの利用人数との違いに複雑な思いがした。

 次週の「教務だより」で、私は「“読み聞かせ”は、シンプルだが最強の読書指導である。小学校教師の専門性として、読み聞かせの技術をぜひ身につけてほしい」と書いた。ゲストティーチャーの方に頼ってばかりでいいのか、という思いからである。
 その後、徐々に先生方も読書指導に力を入れ始めてくださっている。図書委員会の子どもたちが低学年の教室へ出向き、読み聞かせをしているのは、明らかに「出張サービス」に刺激を受けてのことだろう。自習の補欠に行っても、課題をやり終えた残りの時間に、机の中から読みかけの本を取り出す子どもも増えてきた。

 「子どもが集う図書室経営」をめざして現在計画していることがある。本校の図書主任は司書の資格を持ってはいるが、常に図書室に詰めていることはできない。そこで、ボランティアとして、お母さん方に図書室に居ていただき、訪れた子どもたちにアドバイスしてもらったり、時には読み聞かせをしてもらったりしている。
 子どもにとって、誰もいない寂しい図書室より、優しいお母さんが声をかけてくださる図書室の方が足が向きやすいのではないか。
 現在、図書ボランティアを募集中であるが、すでに、10名の方が手を挙げて下さっている。仕事内容や来ていただく時間帯等、考えていかなければならない点は多いが、この試みをぜひ成功させたいと思う。
(湖北町立朝日小)