国 語 辞 典 早 引 き ゲ ー ム
川 那 部 隆 徳

 4年生で、はじめて国語辞典を手にする子どもたちは、その様子から国語辞典の学習に対する期待感の強いことがうかがわれる。授業が始まる前から国語辞典のページをめくる子が目立った。そのような子どもたちの意欲を大切にしながら学習を進めたいものである。

【指導計画】 (全3時間)
第1時
 国語辞典の使い道(ことばの意味、使い方、書き表し方)について、生活経験を大切にしながら調べる。
第2時
 国語辞典の引き方について理解する。
  ・五十音順に配列されていること
  ・動詞、形容詞は言い切りの形でのっていること
  ・清音、濁音、半濁音の順に配列されていること
   (「はらはら」「ばらばら」「ぱらぱら」の配列順をもとに考えさせるとわかりやすい。)
第3時
 「国語辞典、早引きゲーム」を通して、国語辞典を引き慣れる。

「国語辞典、早引きゲーム」の要領は以下の通りである。
(1) 5・6名からなるグループを作る。
(2) ジャンケンをして、最初に問題を出す者を1人決定する。
(3) 出題者は、国語辞典に記載されていることばを一つ選んで出題し、他の者はそのことばを自分の国語辞典で探す。
(4) グループ内で3人まで見つけられた時点で、ことば探しを終える。
(5) はやく見つけた3人がジャンケンをして勝った者が、次の出題者となる。

 ゲーム感覚で国語辞典を引けること、一番はやくことばを見つけられた者が問題を出せるとは限らないこと、偶然にことばがはやく見つかることがあって、誰もにチャンスがあることがこのゲームのおもしろさである。
 子どもたちはできる限りはやく辞典を引けるようになるために、国語辞典の引き方を教え合ったり、教科書を読み返したりしていた。
 終業のチャイムがなったときには、「ああ、おもしろかった」「もっとやろう」といった声が聞かれた。
 そして、翌日から朝自習の際、係の指示でグループ毎に「国語辞典、早引きゲーム」に取り組んでいた。授業後1か月を経た現在もそのような姿が見受けられる。
 億劫がらずに国語辞典を引く子になって欲しいと願っている。
   *参考文献:市毛勝雄他編『楽しい国語科授業集成』26(明治図書 1993)
(栗東町立大宝小)