作 文 の 授 業 の 始 ま り
三 上 昌 男

 週1回、4年生の作文の授業を担当することになった。授業開きは、「四月」という言葉を聞き、連想する言葉を集めることから始めた。「季節感」を授業の中で大事にしていきたい、という思いを込めてのことである。
 桜、入学式、進級、菜の花、新しい教室、4年生、新学期など、たくさんの言葉が出そろった。好きな言葉を1つ選んで、「四月といえば」という書き出しで短い作文を書くように働きかけた。その時の作文例。

 *四月といえば、さくらです。わたしは、花緑公園にお花見に行って来ました。とてもきれいでした。
 *四月といえば、小鳥のさえずり。耳をすませば聞こえてきます。いろいろなさえずりが、気持ちをうきうきさせます。
 *四月といえば、進級。新しくなった学年。3年生とはちがって、4年生はいろんなことが始まると思います。


 子どもたちは、新しい学年になったことに喜びを感じ、これから始まる1年間を楽しみに感じている。子どもたちのそんな思いを引き出すため、3つの言葉を使って作文することにした。落語の三題噺のように。「四月」「わくわく」「学校」という3つの言葉を提示した。
 *四月は、学年が上がるからうれしいです。4年生からは、クラブがあるからわくわくします。学校は、いろいろあるから楽しいです。
 *四月、ひさしぶりの学校。ひさしぶりに出会った友だち。4年4組の教室に入り、席にすわり、ドキドキワクワクしていました。ワクワクドキドキの4年生の始まりです。


 2回目の授業は、ゴールデンウィークの前。「五・七・五で言葉の学習」と題して、俳句作りに取り組んだ。
(1) 春を感じる生き物(動植物)に、話しかけるように表現してみよう、と働きかけた句。

 *すずめの子 早くみんなと飛びたいね
 *たけのこよ ぼくも大きくなるんだよ
 *つくしんぼ 食べたらほんとにおいしいの
 *たんぽぽさん わた毛に変身とんでいけ

(2) 「こどもの日」にしたいことやしてほしいことをそのまま言葉にしてみよう、と働きかけた句。
 *かしわもち たくさん食べるぞこどもの日
 *こどもの日 ゲームばっかりしたいんだ
 *こどもの日 こづかいもらってわっはっは
 *公園で 野球したいよこどもの日
(近江八幡市立金田小)