ちょっとかっこよく ー詩を書く・3年ー
吉 永 幸 司

のはらうた」(工藤直子)の詩を3年の子どもに提示した。
  けっしん   かぶとてつお
つよく
おおしく
いきる!
それが ぼくのけっしんです

でも ときどき
むねの やわらかいところが
なきたくなるのね
   ・・・・・
なんでかなあ
この他に「はなのみち」(あげはゆりこ)、「おにあい」(いしころかずお)と3編をプリントにして読ませた。
 「好きな詩を選ぼう」と、あまりぴったとした働きかけではなかったが、感想の出るのを待った。「面白い」「楽しい」という使い慣れた言葉の中で、「かっこよすぎる」というのが気に入った。「ちょっとかっこよく」はこの感想から生まれた。ここから次の手順で授業を進めた。

(1)詩の面白さや良さを確かめる。
 感想の交流が主な学習活動であった。
C 名前がかっこいい。
C じまんしているみたいなところが読んでいて楽しい。
 感想のやりとりからはっきりしたことは、名前と特徴であった。

(2)表現方法を真似て詩を作る。
 最初に名前を考えた。(自分の名前を生かす)
 この段階ですでに対象になりきる子がでてきた。詩を作るのにそう抵抗はなかった。次のような作品が生まれた。
  大すき    ひまわりこうすけ
太陽大すき、青空大すき
暑いの大好き、き色が大すき
ときどき、カンナのような
赤いいろになりたい。

  ふえたふえた  トマトちか
さいしょ
つめたいところにいたのに
あたたかいところにだされて
半分になっちゃた。
どんどんきられたあ。
六こになった。
ま、いいか、
なかまがふえたかから。
対象になりきって書く快さを感じてか気軽に書いていった。途中から交流の場も生まれ、ちょっとかっこいい国語教室になった。
(大津市立仰木の里小)