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中学生の教科書 死を想え
<はじめに>から 「学校」とは何か。何のためにあるのか。また、なぜ「勉強」しなくてはいけないのか。……私たちはみんな、生まれてしまい、誰一人として例外なく死んでゆくという、人間のどうしようもないものを容赦なく抱えている。そしてそれと全く同じように「知りたい」という欲求ももってしまっている。……この、嫌でもあってしまう「知りたい」という欲求を満たすために「学校」はあるのだ。それだけなのだ。正確には、そのことの始まりとして「学校」はあるのだ。もっと広く、もっと深く知るために、中学校での、あるいは学校での若きひととき、そこにある知識や経験の蓄積を利用しなさい、ということなのだ。 島田雅彦【国語・外国語】 布施英利【美術】 野崎昭弘【数学】 宇野功芳【音楽】 養老猛司【理科】 宮城まり子【社会】 池田晶子【道徳】 7人の著者によって、教科ごとに、この「知的欲求」と「死」をキーワードに「なぜ学ぶのか」が説明される。例えば、方程式を知らなくても生きていける。とすれば、受験目的以外に「なぜ数学を学ぶのか」を教師は子どもに明示しているだろうか。教えている教師自身にわかっているのだろうか。そんなことを考えさせられる。(常諾真教) |