外来語の世界(2) 〜外来語は日本語を豊かにしているのだろうか?〜
川 那 部 隆 徳

 「外来語は日本語を豊かにしているのだろうか?」というテーマについて、調査やグループディスカッションをとおして、自分なりの考えをまとめる学習(『さざなみ国語教室』第214号参照)において、まず、新聞、マンガ・雑誌、広告・説明書、店舗、街角から外来語を集める調査活動を設定した。共通する調査選択ごとに学習グループを編成し、それぞれのグループごとに調査を行った。
 調査活動後の感想は次の通りである。
調べてみて私たちがよく使い、意味も分かることばがたくさんあった。だけど、政治に関するニュースなどには意味の分からない外来語が多かった。」(新聞調査の児童)

 マンガにはたくさんのカタカナがあり、外来語かどうかを見分けるのが大変だった。けれど、みんなと協力し合って集められたので楽しかった。 (マンガ・ 雑誌調査の児童)

 説明書の中には、いろいろな外来語が使われていた。実際に調査してみると、意外とたくさんの外来語が使われているんだなあと思った。 (広告・説明諸調査の児童)

 今まで外来語を意識したことがなかったので驚いた。商品や案内板などからたくさん集めることができた。 (店舗調査の児童)

 私の住んでいる周りに、こんなに外来語があるなんてびっくりした。ふだん何げなく歩いているので気づかなかったけれど、調査してみて思わない発見があって楽しかった。 (街角調査の児童)
このように、それぞれのグループ内で、互いに調査内容を交流しあい、身近なところに新たな発見を見出すことになった。特に、店舗を調査したグループの児童が、買い物客であるお年寄りに突撃インタビューをする姿も見られ、教室では得ることのできない知識や情報を獲得することができた。
自分の興味・関心から調査内容を選択し、身近なところに「どのような外来語があるか」「どれだけ外来語が見つけられるのか」などについて、実際に調査を実施する体験的な学習活動は、事実を実感として捉えることのできる有意義な学習となった。
 その後の学習は、調査結果を整理し、それぞれの調査グループごとに調査結果を報告する場(コーナーを設けてスケジュールに従って自由に報告を聞く)を設定した。話し手には調査したことを聞き手にわかりやすく伝える必要性、聞き手には自分のテーマ意識と関わらせてどの発表を聞くかを選択する必要性がそれぞれ生まれることとなった。
(栗東町立大宝小)