自 分 の 言 葉 で
吉 永 幸 司
「自分の言葉で」というテーマで話すこと聞くことの授業を試みた。指導学年は4年。子ども達との出会いはその日が初めて。 学習の過程を次のように考えた。 (1) 学習目標を説明する。 (2) 話すこと聞くことの学習を繰り返す。 (3) テーマを決めて話題をきめ話す練習をする。 (4) 目標の実現の様子を自己評価する。 授業は自己紹介から始めた。初めての出会いであるので、何を話しても珍しかった。形式を決めたら授業が盛り上がった。 <始め>自分の名前 <なか>自分をアピールするもの。好きな教科や食べ物。 <まとめ>今の気持ちなど。 このようなまとまりが分かるようにカードを黒板にはった。(板書の概要は次の通り)
これから自己紹介をします。ぼくの名前は山本敬三(仮名)です。好きな勉強は算数です。計算が好きです。体育ではマラソンが得意です。それから、家族は4人です。今、緊張しています。よろしく。 この子は、「一番に言って欲しい人」ということでみんなから推薦をされた子である。この子をお手本にして自己紹介を続けた。 「緊張しています」という言い方が子どもの心を捉えたのか。どの子も「緊張」で結んだ。自分の言葉で言ってほしいなと思っていたら、 「今、僕のこころは心臓が飛び出しそうです。」 と、まとめた子があった。まるで聞き手の心を見抜かれたようであった。 「緊張したという言い方が続いたので、他の言い方をしてほしいと思っていた。」 と、気持ちをそのまま伝えた。教室全体がほっとしたような雰囲気になった。(以上は学習活動の概要である) 自分の言葉で話すということは難しいことでないと感じた一瞬であった。 (大津市立仰木の里小)
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