▼子育てのキーワードに最近「納得」を入れている。子どもの日々を見ていると、大人を試しているような視線を感じるから。禁止・注意・指示等の言葉も、本気で自分のことを考えているか、立場や見栄からかを見抜く力を備えているような気がする。

▼廊下を走っている子に「走らないで」と注意をする。「何で」と問い返す子にその理由を考えさせる。自分なりの答えを見つける。多くは怪我をするからとか危険だからとか、いつか聞いたような答えをいう。「危険だと思っていたの」と聞くと否定をする。考えることはそこから始まる。自分だけの学校だったら走ってもいいけれど、ここは多くの人が生活をする所ということからきっかけを与える。そして、一旦納得をした子は、自分を律する力を備えるような気がする。

▼授業でも生活でも大人が試行錯誤して獲得してきた結論を簡単に子どもに伝え、教え指導した気分になっているのではないかと思うことが多い。廊下を走らない、人に迷惑をかけない、命を大事にする等多くの言葉が子どもの回りを飛びかっている。一つのことをじっくりと考え、そして、納得できるまで付き合うことが日常化していないような気がする。

▼授業でも、子どもに納得させるような時間をかけているだろうかと反省。納得は「ゆとり」と連動する。(吉永幸司)