生活科でも国語教室 「わたしは、○○さんから聞きました」
中 嶋 芳 弘
テレビゲームやカードゲームで遊ぶ子どもたちが増えている。そんな子どもたちに、昔からの遊びを知らせていきたい。 事前になにげなく伝承遊びの道具を教室においておいたり、話題に出したりしておく。そして、身近な人である、父母、祖父母、近所の人に尋ねてくることから活動が始まる。子どもたちは、しっかり尋ね、わからないことがあったら、わかるまで質問してくるだろう。そうするように、そうできるように、意欲の掘り起こしをし、保護者に協力依頼もしておきたい。 そして、いよいよ発表の時間。昔から伝わるいろいろな遊びを聞いてきた子どもたちは、それを友達や先生に紹介することになる。発表しようと用意している遊びを胸に、わくわくそわそわしている子どもたち。教師は、一生懸命調べてきて発表させたいと思う。友だちの発表を自分が調べてきたことと比べながら聞けるとよいと思う。ここに国語教室がある。まず、教師がすばらしい聞き手であること。これがこの国語教室の鉄則である。 T では、〇〇さんに発表してもらいましょう。 C わたしは、おばあさんに聞いてきました。2つのお手玉を投げてする遊びです。(してみせる)もっと難しいのは、5つ使って「おさら」と言いながらいろいろな取り方をします。 C (つぶやき)いっしょや。 C (つぶやき)私も聞いてきた。 つぶやきに耳を傾け、続いて発表したい気持ちを聞き取る。 T とても気持ちの良い話し方ですね。 とか、 T 〇〇さん、とてもはっきりとお話ができてりっぱでした。 と発表の仕方を誉める。そして、 T お手玉をいくつも使って遊ぶのですね。楽しそうな遊びですね。 と内容を受け止めて、 T 同じ遊びを調べてきた人が他にもいるようですね。 C はい。(数名が挙手) T ピンと手を挙げてくれたから、発表したい気持ちが伝わってきましたよ。〇〇くん、どうぞ。 発表内容だけでなく、発表の姿勢や発表の仕方も受け止めて、さらっと返していく。 C ぼくは、おばさんに聞いてきました。1つのお手玉を投げ上げて、落ちてくるまでに、下に置いてあるお手玉をとります。こんなふうにします。(してみせる)だんだん数を増やしていきます。 ちょっとオーバーに拍手を贈って誉める。こうして、生活科の中の国語教室で、子どもたちは少しずつ、言葉の働きに気づいていく。 (彦根市立旭森小)
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