金子みすずを読む(6年)
吉 永 幸 司

 金子みすずの詩を読むという学習を試みた。
 提示をした詩は「明るいほうへ」「帆」「ふしぎ」など7編。
 予定をした学習活動は
@「わたしと小鳥とすずと」を読み聞かせ、3年の時の学習を思い出させる。
A「大漁」を読み聞かせ、作者について考えさせる。
B詩7編を読ませ、好きな詩を選ばせ、感想を話し合わせる。(小集団)
C好きな詩を色画用紙に視写させ、挿し絵や感想を書かせる。
D学習の感想を話し合わせる。
 指導の意図は、@Aで金子みすずの人柄について思い出させ、7編の詩で自分の読みを作らせることであった。
 選んだ詩と子どもの感想を紹介したい。

   つ も っ た 雪

 上の雪
 さむかろな。
 つめたい月がさしていて。

 下の雪
 重かろな。
 何百人ものせていて。

 中の雪
 さみしかろうな。
 空も地面もしらないで。

 ○雪のことを考えてあげているのがすごいと思ったから。
 ○どの雪も人間の気持ちで見ているのでやさしいと思ったから。

   つ  ゆ

 だれにもいわずにおきましょう。
 朝のお庭のすみっこで、
 花がほろりとないたこと。

 もしもうわさがひろがって、
 はちのお耳へはいったら、
 わるいことでもしたように、
 みつをかえしえにゆくでしょう。

 ○自然のみんなにやさいしいことが気に入った。
 ○誰もがやさしいことが金子さんは好きなんだなあ。
 ○みつをとられた花がほろりとないたところが、とてもきれいだしやさしいなと思ったから。

 最初に金子みすずの人物への印象を持たせたことが、一つの概念を作ってしまったなあという反省が残る。7編の詩を読むことは、選ぶという学習に広げるのに効果があった。
(大津市立仰木の里小)