全 小 国 研 北 九 州 大 会
好 光 幹 雄

「ことばを磨き自己を語る学習者の育成」が第27回全国小学校国語教育研究大会北九州大会の大会主題。10月28日、北九州市立門司中央小学校、西小倉小学校にて、翌29日は、九州厚生年金会館にて開催された。
 この大会主題に寄せて、全小国研会長の中澤敬先生は、
「教育課程の基準の改善のねらいをふまえ、言語を通して自己を確かめ相互に高め合う人間性の回生をめざした価値ある問題提起である。」
とし、さらに、
「これからの国語科の学習においては、豊かな言語感覚を養い、相互の立場や考え方を尊重し言語で伝え合う能力がいっそう重視される。本研究大会が言語の教育としての立場から国語教育の担う役割を明確にし、その使命を確かに果たすための内容や方法をともに学び合う貴重な機会となることを願う。」
と述べられた。

 私はこの大会で、<読む・3年生の分科会−叙述をもとに想像しながら楽しく読み、読書活動につなぐ活動>において、提案する機会を与えられた。提案内容は次の通り。
 主題は、「飛び出せ絵本」ビデオライブラリー〜「ちいちゃんのかげおくり」から齊藤隆介の世界へ。
 指導計画(全28時間)
(1)「ちいちゃんのかげおくり」のビデオライブラリーを学級全員で作る。(8時間)
(2)「モチモチの木」のビデオライブラリーを学級全員で作る。(7時間)
(3) 斎藤隆介の複数の作品から自分の読みたい作品を選び、グループでビデオライブラリーを作る。(13時間)
 成果として、ビデオライブラリーという活動が子どもの読みに対する姿勢を前向きにした。また、一つの作品を窓口にその作者の複数作品に触れたことは、子どもの読み手としての幅を広げるきっかけにもなった。「豆太みたいだな。」「小さな者でも勇気を出して大きな者に向かっていっているのが似てるな。」等、自然と読み重ねをしている姿が見られた。
 課題としては、ビデオライブラリーに適した教材の発掘と選択方法、ライブラリー作りでの支援や交流のあり方、発音・発声等の基礎基本の重視が挙げられた。

 瀬川榮志先生(全小国研名誉顧問、中京女子大学名誉教授)の講演では、先生の朴訥としたお人柄、そして教育に対する情熱に深く感動した。文部省の小森茂先生からは最新情報を教えていただき、ずいぶん参考になった。また、女優の岸田今日子さんの「道草をくいながら」と題した記念講演と一人芝居には身を乗り出して聴き入った。
(大津市立堅田小)