全校読書タイム 「夢、いっぱいです」
中 嶋 芳 弘

 今年度から、毎週火曜日の朝に「全校読書タイム」を設定することになった。
 この日は、朝の職員打ち合わせはなし。職員の朝のあいさつのあとは、教室に行き、子ども達と一緒の「全校読書タイム」が始まる。
 静かな音楽をバックに「読書タイム」の始まりを告げるアナウンスが流れる。子ども達は、これと思う本を家から持ってきて机の中に入れている。それを取り出して読み始めるのである。あるいは学級文庫の中にある本の中から適当な1冊を取り出して読み始める。学級文庫の本は、少し傷んで図書室から各クラスに持ってこられたものである。これでは読書意欲はわかないかと思ったが、そうでもなく、別の効果も見せてくれた。たとえば、物語の好きな子が、図鑑を開いていて、それが読書の幅を広げていくきっかけになったりもしているのである。
 ともあれ軌道に乗り始めた「全校読書タイム」は、私にとって夢いっぱいの時間である。その夢いっぱいをいくつかあげてみたい。私の期待も含めてではあるが。

〇2学期には、PTA研修部のみなさんがボランティアで本の読み聞かせをしようと意欲満々とのことである。この時間と結びついたらいいなと思う。
 読書の面からだけでなく、地域の保護者と子ども達との距離が短くなるという効果も期待できるからである。
〇委員会活動などで、高学年の子ども達が、低学年の教室でお話会をする。
 リーダー育成や異学年の集団づくりにもつながるだろう。
〇新しい本がたくさん入るのなら、教科書教材に関連した作品を入れる。
 シリーズ読みができたら、子ども達の国語の学習意欲も読書意欲も高まるだろう。
〇新しい本をたくさん入れられるのなら、「環境、福祉、情報 ……」テーマ文庫を作って定期的に回していく。
 自分で読んで学ぶ。生きた力がつくだろう。
〇読書タイムをもう少し広くとらえて、クラスで短いお話を選んで音読する。
 回し読み。一斉読み。群読。いろいろな音読に取り組んでいく。学期に1回、校内放送を使って発表会。発表の場があって練習の機会が定期的にあって。力がつくだろうなと思う。

 週1回。1回の時間は短いが、1年間にすると大きい。1年、2年と積み重ねていけば、とても確かな読みの力がついていくことになるに違いない。
(彦根市立旭森小)