国 語 科 か ら 見 た 社 会 科
北 島 雅 晴
社会科や算数科の学習の中には何らかの話し合い活動がある。それぞれの教科によって、話し合いの仕方に特徴があると感じるようになった。国語科を基盤にして実践している者にとっては、国語科でつけた力が他教科でどのように生かされるかという視点から物事を考えることも多い。 社会科での話し合い活動では、資料から読み取ったことをいかに分かりやすく伝えるかが大切となる。 「ぼくは、〇〇について調べました。〇〇という資料から、こんなことが分かりました。この資料から、ぼくはこのように考えました。」 調べたことを簡潔に言い切る力が必要になると考える。またある時は、図を示しながら説明する訓練もいるであろう。 現在、歴史学習を次のような過程で進めている。基本的に、1単元を3時間扱いとしている。 (1)オリエンテーション(時代背景、学習方法について先生から話を聞く) (2)基本となる資料を見ながら自分の課題を決める。 (3)個人またはグループで、調べ学習を行う。 (4)調べたことを発表する。(友達の発表を聞き、必要に応じてメモをとる。) (5)学習のまとめをする。 C 私は、聖徳太子の政治についてだいたいのことを調べました。聖徳太子は、大きく分けると次の四つのことを行いました。まず一つ目は、十七条の憲法を作ったことです。(以下略) C 付け足して言います。十七条の憲法について詳しく調べてみて、私は、第九条が好きになりました。わけは、…。(以下略) C ぼくは、聖徳太子の伝説について調べました。今でもいろいろな所に聖徳太子の伝説が残っています。 このような話し合いを通して、 ・事実(資料の中身)と自分の考えを区別して話すこと。 ・資料の中から大切な事柄を選んで分かりやすく話すこと。 ・友達の発表を聞いて、大切なことをメモすること。 といった国語科の力がつく(または生かせる)のではないかと考える。そのためには、目的をはっきりとさせた話し合いが必要となるであろう。 「友達がぼくの知らないことを発表してくれるので勉強になる。」 「発表の仕方が分かりやすくて、安心して発表できる。」 といった感想をもつ子も多くなった。 (草津市立草津第二小)
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