心 と 声 を 合 わ せ る 詩 の 群 読
伊 庭 郁 夫

 3年間、社会教育の仕事に関わってきて感じたことがある。
 ・自分の体でぶつかっていく体験が生涯の財産として残ること
 ・前向きに考え挑戦すること
 ・多く人々との出会いを大切にするということ
 ・心に常に夢と遊び心を持つこと
 ・コミュニケーションをおろそかにしないこと
 ・できないとあきらめてしまうと進歩がないこと
 ・即、行動すること
等である。

 そして、3年ぶりの学校現場と学級担任の生活が始まった。学校も転勤となり、新鮮な気分で4月1日を迎える。
 さて、4月8日の子ども達との出会いは5年1組29名である。人なつっこく元気な子ども達。社会教育をしていた時に見覚えのある顔もある。
 「入学式でよかったことを式が終わったら一人ずつ言ってもらいます」と課題を与えて式に臨む。「1年生が元気よく返事をしていた」「聞く姿勢がよかった」などよく見ている。学習においても聞くことがすべての基本であることを話す。また、6年生がしっかり1年生の手を引いて入場したことや6年生は準備や入場のリハーサルを前日に繰り返していたことを伝え1年後の役割を自覚させる。

 国語は、詩の授業から。「そんな教室つくろうや」の詩から、教室は間違う所であること、間違いをおそれないことを感じ取らせる。
 次に、詩の流れで「あめ」の授業に入った。国語は、まず読むことであり、声に出して表現する楽しさを味わうことである。
 一つの班は、4人から5人。各班で最初だけ役割を指定して練習に入る。教師の役割は「褒めること」と「励ますこと」である。褒めるのは他の班と比べるのでなく前の読みと比べて褒める。班の工夫した点を認める。励ますのは、声を出せることの喜びや努力の大切さを話していく。
 子ども達の読み声は、「めあて」を持たせたり相互評価をしたりすることで、みるみる張りが出てくる。最初に気になった「あめ」のアクセントは範読テープを聞くことで解消した。雨の降り方が班の読み声によって全く異なるのが不思議だ。読み浸ったあとは、秘密探し。
 ・「あめ」が「雨」だとポツポツ降っている感じがする。
 ・普通は「降る」とするが「たたく」と書いてあり激しい。
など、子どもの感性に学ぶことも多い。心と声を合わせる群読は、学級づくりの出発点でもある。
(安曇川町立安曇小)