本棚    人生の教科書[よのなか]
藤原和博 宮台真司 著 BK1
筑摩書房 1998.12 1500円
人生の教科書[よのなか]

 帯に、『この本は、中学・高校向けの全く新しい「社会科の教科書」として書き起こされたものです。ここにはウソのない“世の中のしくみ”が描かれています。学校も親も、会社に入っても教えてくれない本当の姿です』とある。

 序 章 大人はなぜ「接待」をするのか
 第1章 1個のハンバーガーから世界が見える
 第2章 自分の家から日本が見える
 第3章 仕事とキャリアを考えると人生が見えてくる
 第4章 自殺から見える社会
 第5章 意味なき世界をどう生きるか?

大人が読んでも十分におもしろい。ということは、つまり学校でも親からも社会に出てからも教えてもらわなかったことが書いてあるから。特に教師はよく世間知らずだと言われる。確かに世の中のことにうとい面がある。

 ハンバーガーから為替レートや会社経営まで話が広がる第1章読むと少し経済のことがわかったような気になる。自殺、売買春、ドラッグ、暴力など「今」の現象から「生きる意味」を考える第5章は、「生きる力」を育てていると思っている我々教師も知っておく必要があるだろう。(常諾真教)