得 た こ と ・ 学 ん だ こ と
吉 永 幸 司

 200回という一つの節目を迎え「さざなみ国語教室」での歩みを振り返ってみたい。

1.鍛える
 月例会の研究提案は、会員にとっての厳しい場である。教室の今をありのままに出し合い、そしてあるべき姿を求める。周到に準備しても、ほつれは一瞬に見抜かれる。ただ、視点は、いつも子どもがどうなっているかということ。借り物でない自分が出せているか。そして、絶えず、授業、言葉と向かい合っているかということ。

2.蓄える
 ずいぶんと専門書を読んだときがあった。飛田多喜雄全集・倉沢栄吉全集・国語教育全集等を必読書として、輪読をしたり、レポートを書いたりした。かなり厳しい事であったが、今、目に見えない力になっていることをしみじみと思う。一人だったら読まなかった、考えなかったであろう基本的な勉強を若い頃できたことが、今の力になっている。蓄えることの大事さを思う。

3.表す
 教師の自己研修は、子どもの気持ちに近づくことでもある。子どもに感想を書かせるなら、事前に自分でも・・・。こんなことで始めたのが「ざざなみ創作文集」「さざなみ句会」。研修の場を広げ、表すことを積み上げた時期もあった。表すことに心が向いているとき、実践に、教室に満たされたものがあるときという思いがある。

4.発信する
 研究会を重ねていくうち、指導の効果を上げる実践が生まれる。発信し、指導を仰ぐという機会にも恵まれた。短作文・第一次感想等決して新しくはないが、研究会から生まれた財産として発信し、いろいろ指導を頂いたことがサークル活性化にもなった。

5.学ぶ
 閉鎖的にならないようにということで多くのサークルの皆様とご縁をいただいた。野っ原詩の会・杉の会・せせらぎ・竹の会・実践国語教育研究会・新しい国語の授業研究会・全国国語教育研究等広く学びあう場を求めてきた。ひとりよがりになりがちな実践を高いところから指導をして下さった多くの先生に感謝の気持ちでいっぱいです。

6.展望
 教育改革の全貌がはっきりしてきた。子どもにとって何が大切かを原点に教室の発信が求められる時が来た。17年を越え18年に向かう歩みの真価を問われる時と自覚し、これからの子ども・授業・国語教育をしっかり見つめていくことを大事にしたい。
(大津市立仰木の里小)