イ ン タ ビ ュ ー 学 習
三 上 昌 男

 四年生、『一つの花』の学習。初発の感想を交流すると、「一つだけちょうだい。」というゆみ子、「一つだけよ。」と言って自分の分をゆみ子にあげるお母さん、一輪のコスモスの花をゆみ子に手渡したお父さんなどについて、考えていこうとする子どもの姿勢が感じられた。
 そこで、考えてみたい課題をみんなで出し合い、質問の形で整理をした。
「十年後、ゆみ子のとんとんぶきの小さな家が、コスモスの花でいっぱいに包まれていたことについて、あなたはどう思いますか。」など、十三の質問にまとめられた。
 そこから、自分が考えてみたい質問を選んで、自問自答のインタビュー学習を展開した。

 お父さんがゆみ子に渡したコスモスの花には、お父さんの思いがこめられていると感じていたN君。お父さんの言葉にこめられた願いに関わる質問を選んでひとり学習に取り組み始めた。
 自問自答のインタビュー学習を終えた後、同じ質問を選んだ友達の考えを聞き合う、友達へのインタビュー学習の場を設定した。友達の考えをメモを取りながら聴き、自分の考えを深めようとする姿が見られた。
 この物語では、戦時中の暮らしや親の心情が語られていることから、おうちの人へのインタビューをすること提起した。子どもたちは、質問したい内容と相手を決め、家でインタビューをおこなった。M子のお母さんへのインタビューの記録を紹介しておきたい。

「お母さん、いつも『一つの花』の音読を聞いてくれてありがとう。お母さんに質問があります。大事なお米で作ったおにぎりをお父さんにあげるつもりだったのに、全部ゆみ子に食べさせたお母さんについて、どう思いますか。」
「私がゆみ子のお母さんだったら、同じことをしたと思います。戦争に行くお父さんに、ゆみ子の笑顔を見せて、安心してもらいたいからです。」
「私も同じ考えです。十年後のゆみ子とお母さんのくらしについて、どんな想像ができますか。」
「戦争に行ったお父さんが帰ってこないので、お母さんは、ミシンの仕事をしているのでしょう。仕事がいそがしいので、ゆみ子に家のお手伝いをたのんでいる様子が分かります。」
「私は、ゆみ子とお母さんが、お父さんがいないけどがんばって生きている様子が目に浮かびます。お母さん、今日は、質問に答えてくれてありがとう。」
最後に、自分・友達・おうちの人へのインタビュー学習の成果を新聞に表してまとめとした。
(近江八幡市立金田小)