子 ど も の 心 に 寄 り 添 う 掲 示 板 に
伏 木 清 史

 本校のメイン廊下にある掲示板(模造紙3枚分)の経営を任されて一年半が過ぎようとしている。玄関に近いこともあって、いわゆる「学校の顔」的な場所である。
 そのことは意識しているが、型どおりの掲示ではつまらない。掲示は、人の目にとまってこそ価値が出てくるものである。ここでいう人とは、もちろん子どもたちである。
 子どもたちの目にとまり、そこから何かしら学んでくれるような掲示になるよう心がけている。

1.言葉遊び的な掲示
 新年度、「転任の先生方コーナー」で。先生方にお願いして、自分の名前を折り込んで詩を作ってもらった。
 「い」つもにこにこ
 「と」っても元気なみなさんと
 「う」れしい出会いの春
 「み」んなと仲良くなりたいな
 「ほ」んとうによろしくね

 次年度の春には、名前のアナグラムで紹介した。
 「ヒント1 ほっそりしている」
 「ヒント2 走ることが好き」
 「ヒント3 音楽もとくいです」
 「ヒント4 ラッコ、実の上」

もちろん、ヒント4がアナグラムである。正解は、「みのうらえつこ」先生である。

2.子ども参加型掲示
 運動会や水泳学習が近づいてくると、プログラムなどといっしょに、「ぼく、わたしのめあて」という紙を貼っておく。日がたつにつれ、その紙が文字で埋まっていく。自分のめあて、友だちのめあてを読みながら、満足気な子どもの姿が見られた。

3.読書紹介的掲示
 季節や話題に応じた本をふつうに紹介することはよくあるが、先日、「ブックトーク」的な掲示を試みた。テーマは「きつね」。
 ・きつねが登場する日本のお話が読みたい人は…
 ・きつねのような野生動物を研究する仕事が知りたい人は…
 ・きつねを家で飼っていた記録が読みたい人は…

などの誘い文句で何冊かの本を紹介していった。先生方にも好評だった。

4.その他
 人権についての詩、「のはらうた」の詩、琵琶湖物知りコーナーや季節の草花紹介など。

 今、子どもたちにどんなことを伝えればいいだろう。どんなことを知りたがっているだろう。ネタ探しに、全校の子どもたちの生活に心を配る。
 掲示板を楽しそうに見ている子どもに、つい声をかけてしまうくせは、なかなか治らない。
(能登川町立能登川南小)