突然の発言が流れを変える
北 島 雅 晴
@ 木とゴリラ つくえには木がのっている そこにはゴリラものっている 葉っぱにはほこりものっている 見ていたらおなかがすいてきた A 小さな天使 六月に生まれた小さないとこ 手も足も鼻もみんなちっちゃい みんながあやすとにこっと笑って みんなに幸せを分けてくれる B 大切な琵琶湖 きれいな琵琶湖 僕は琵琶湖をよごす人を許せない みんなで守ろう 大切な琵琶湖を このような短い詩を六編用意した。@とAのように以前に子どもが作った詩と、Bのように私が作ったものも入れておいた。六編の詩の中から自分が一番気に入った詩を選び、その良さをみんなに伝える。話し合いを通して、詩を作るときに大切にしたいことをつかむ(詩を作るためのこつをつかむ)という学習を行った。(五年生での詩を作る実践) C @の詩は、同じ言葉が繰り返し使ってありリズムがいい。 C 最後に、今までと関係ないことが書いてあるのがおもしろい。 C Aの詩は、赤ちゃんを天使にたとえたのが上手だと思う。 C いとこを大切にしている気持ちが伝わってくるし、温かい感じがする。 C Bは、大切なことを言っているのでいいと思う。 C 琵琶湖のことをよく考えて作っている。 発言が淡々と流れていく。その時、ある女の子がさっと手を挙げて発言した。 C 先生、気に入らない詩のことで言ってもいいですか。 T 気にいらない詩があるの。それではどうぞ。 C Bの詩なんだけど、言っていることはいいのだけど、当たり前すぎておもしろくないと思います。これなら、だれが作っても同じだし、感じてもいないのにわざと作っていると思います。 この発言を受けて、Bについて素直な感想を発表する子、他の詩についても「もっとこうした方がよい」という意見が続いた。一人の突然の意見が、話し合いを活性化させた。Bを支持していた子にとっても、詩の良さについて考えるきっかけともなった。 Bの作者としては、あまりにもまずい詩を作りすぎたかと思いながら、話し合いを盛り上げたという点だけでも役割を果たしたと思うことにした。 (草津市立草津第二小)
|