国 語 研 究 集 団 合 同 研 究 会
好 光 幹 雄

  研究研鑽出類才
  論文談説教壇魁
  孜孜真摯同門友
  不介炎氛追約束    岡田嘉崇 詠
 磯の香りと水着姿の若者たち。改札口を出るなり、青い海と砂浜の広がる須磨の残暑は厳しい。
 しかし、それ以上に研究主題を「新しい国語学習の創造」と題した第26回国語研究集団合同研究会(8月22、23日 シーパル須磨)は私にとって刺激的であった。

 後藤鎮房先生(竹の会、奈良、帝塚山小)の提案は、「子どもが生きる授業〜ひとり学習が生きる共同学習」。教材は「白いぼうし」(4年生)。共同学習をする必要がないと思われるほど深いひとり学習ができている実践であるが、共同学習の中でいかに個の学習が生かされるのか、また共同学習がいかに個の学習の発展に関わるのかを明らかにしようとしたものであった。

 岩本通代先生(東風の会、伊丹市立有岡小)の提案は、「声に出して詩を詠むことを楽しむ子どもを育てる(4年生)」。教室で声の出せない子に何とかして自信を持って声が出せるようにと願って群読を取り入れた実践であった。

 望月千津子先生(泉の会、清水市立辻小)の提案は、「子どもの思いに沿った単元構想の工夫と練り合いの姿」。スイミーの絵本を作りを通して、スイミーのことがよくわかるように詳しく読んでいこうとするもの。「練り合い」という共同学習の場でひとり学びが十分生かされている実践であった。

 西勝巳先生(東風の会、神戸大学附属住吉小)の提案は、「国語学習から総合学習へのアプローチの視点〜楽しくなる国語教室のアイデアと学習材の開発をめざして〜」。教科学習の楽しさもなしに総合学習で何とかしようなどと考えてはならないとして、文字通り国語の学習の本質的な楽しさを子ども達が十二分に味わい、また主体的に学んでいる姿がよくわかる実践であった。豊富で新鮮なアイデアの源は、西先生ご自身が、国語学習を楽しんでいるところにあるのだとも感じた。

 吉永幸司先生の「子ども理解と国語教室」という講演は、具体的な例を示しながら、教師の子どもに対するアンテナを如何に敏感に鋭くするのかといったものであり、普段吉永先生のお話を聞かせていただいているさざなみ国語教室の者にとっても新鮮で貴重なものであった。

 冒頭の漢詩は会を祝して岡田崇先生が詠まれたものであるが、4つの会と会友計61名が集まっての研究会。国語教育を語れば黙っていない人ばかり。懇親会、そして夜中の3時まで飲んだ二次会も話題は絶えず、須磨の浜以上に熱く燃えた2日間であった。
(大津市立堅田小)