第6回 新しい国語の授業研究会
池 嵜 繁 伸

 「子どもが本物の国語学力をつける国語科の授業のありかたをともに語り合いましょう」という呼びかけをもとに始まった『新しい国語の授業研究会』も今回で6回目を迎えることになった。
 1998年7月25日、大津市勤労福祉センターを会場に開かれた「第6回新しい国語の授業研究会」の様子をお伝えしたい。

○研究発表
 発表者は岡嶋大輔先生(甲賀町立佐山小)、「豊かな作文表現ができる言語環境づくり」という研究主題で二年生一学期での実践を提案された。
 作文への抵抗をなくすための手だてと二年生でつけたい力の年間見通しを持って、豊かな作文表現ができる言語環境づくりに取り組んでいる。その中から三つの実践事例を取り上げ、学習の実際を示している。
 豊かに文章表現しようとする子どもを育てるには何をすべきか、地道な日々の実践と新鮮なアイデアにあふれた提案であった。

○実技講習(読書教育)
 新谷照代先生を講師にお招きし、実際に絵本の読み聞かせをしていただきながら、子どもたちを本の世界へといざなう語り口や教師の担う役割の大切さ、本を通してクラスの子どもたちの心を耕してこられた先生のご実践に大いに学ぶことができた。
 新谷先生の読み聞かせを聞き、いつの間にかお話の世界に引き込まれ、胸がジーンと熱くなったり、爽やかな気分になったりした。耳から聞いて頭と心で考えることの大切さと、読み聞かせ(お話を聞くこと)が読書するエネルギーになることを肌で感じることができた。早速、先生が紹介してくださった中から、数冊絵本を購入した。読み聞かせする日を今から楽しみにしている。

○講 演『今国語の授業に求められるもの』
 椙田萬理子先生(奈良女子大学付属小学校)のご講演をお聞きし、私なりに学んだことをまとめてみたい。
 国語の授業で、本のすばらしさやことばのもつ偉大さに触れさせることなく、本ぎらいや国語ぎらいの子どもをつくってしまうのはなぜか? 「読みひたり、学習に集中でき、本好きの子ども」「学び合う子ども」そんな子どもに育てたい、そのために子どもに力をつけたい。教師は何をすればいいのか?国語の学習に求められているものは?
・国語の学習を通して自分の変化(伸び)を感じ取れる手だてがあるか。
・教師の一方的な発問ではなく、子どもどうしの訊ね合いが大切。
・多種多様な学習活動を体験することで子どもの力(可能性)が発揮される。
・日記を書く際の自分の心と向かい合う時間(何を書こうかと考える時間)が大切。その機会を確保しているか?
 そのほか、単元計画内の「ひとり学習」の意義や学習活動の実際を、黙々と学習に取り組む子どもの姿を通して教えてくださいました。
(彦根市立城陽小)