H30年度 北支部だより 第1号

 5月(文責 北波 博)       

令和2年度が始まりました  


令和2年度に新しく会員にお迎えした方々は次の8名です
米村 洋子 様(中京もえぎ幼稚園)
林 まゆみ 様(朱雀第一小学校)
杉森 徳行 様(養正小学校)
坪内 昌子 様(高雄小学校)
清水 隆志 様(京北第二小学校)
片山 雅斗 様(花脊義務教育学校)
和田 徹矢 様(醍醐中学校)
田邉 滋人 様(東山総合支援学校)

北支部の会員は109人になりました。この109人全ての方が,よかったと言っていただけるような支部活動を目指します。
「こんなことができればよい。」と言うようなアイデアがあれば,担当の理事にお聞かせください。よろしくお願いします



今年度の支部組織を紹介します


 
◇令和2年度 北支部組織

      ○支部長   北波博
      ○副支部長  藤本榮樹,高向健次   林田清文
総会担当    北波博,   髙向健次,  藤本榮樹
○研修担当  高向健次,川勝康弘,小中敏和,林田清文,飯田敏弘,井上隆介
○支部だより 髙向健次,北波博
会 誌   疋田みね子,小笹たみ子,青野京子,柳田典子, 岡嶋ひとみ

○ 作品展   蒋池季和,長者美里,佐々井良一,上野正智,奥田直孝
○ 名 簿   藤本榮樹,北波博,髙向健次
会 計   丸田まゆみ
   ○ ホームページ  磯野進司,山田佳男, 稲葉弘和

     組織委員  藤本榮樹,  野田卓郎,  疋田みね子


   ○ 市理事   高向健次,野田卓郎,北波博,蒋池季和,丸田まゆみ,岡本茂,
           瀬川宏子,井上隆介,磯野進司,谷口睦子,小笹たみ子,飯田敏弘,
           上野正智,疋田みね子,青野京子,川勝康弘,西村勲,小中敏和,
           林田清文,藤本榮樹,長者美里,田口正登, 恒川圭一,  林明宏, 高橋義弘

   ○ 府理事    藤本榮樹,北波博,丸田まゆみ,高向健次, 高橋義弘, 

  以上,順不同で書かせていただきました。なお,詳細は別紙をご覧ください


       

・・・ 「ペスト」アルベール・カミュ   ・・・              

     北波  博 
                                                     


   まだまだ油断はできないと思いますが,この文章を書いている今日5月21日に緊急事態宣言が解除されました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
   例年なら,北支部だより第一号には総会の時に講演していただいた内容を,総会に参加できなかった会員の皆さま方に
知っていただく意味で概要を書いていたのですが,今年は4月26日(日)に予定していた総会も中止, 5月に予定していた第一回の理事会も中止,
6月に予定していた夏の研修会も中止をせざるを得ない状況になってしまいました。

   さて,第一号の内容として,何か書かなければならなくなったわけですが,何を書くべきなのか考えた末,
やはり新型コロナウイルスのことについてしかないだろうと考えました。
しかし,現状についてはテレビや新聞から皆さんの方が情報を得ておられるだろうし,どうしようか迷ったのですが,
急に出来た時間を利用して読んだカミュの「ペスト」について紹介という形で概要を書くことにしました。

    もちろん報道などで,よく紹介されているので,読んだ方も多いと思いますが,少しお付き合いいただければありがたいと思います。
作者はアルベール・カミュで,一九一七年にアルジェリアで生まれ,父が幼時に戦死したため,苦学してアルジェ大学を卒業しています。
この作品は1947年に発表されたものです。小説としては,「異邦人」に次いで二作目です。1957年に44歳でノーベル文学賞を受賞しています。

   そして1960年に47歳で自動車事故のために亡くなっています。 あらすじは裏表紙に「アルジェリアのオラン市で,
ある朝,医師のリウーはネズミの死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出。ペストの発生である。
外部と遮断された孤立状態の中で,必死に『悪』と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで,
人間性を蝕む『不条理』と直面した時に示される人間の諸相や,過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。」
と書かれています。

5月下旬四条大橋 ウェブ アニメータ 観光客もいない
車も少ない四条通り ウェブ アニメータ 人が通っていない
花見小路

    カミュ研究家のアルベール・マケは,この作品の成功は「この作品の簡潔なリアリズムが,様々な角度からきわめて明瞭な象徴性をもっていて,
読者の一人一人がその当面の関心を満足させるものをそこに見出しうるから」と書いています。
   
    翻訳者の宮崎嶺雄はそれに次いで,「ペストに襲われ,外部とまったく遮断された一都市のなかで悪疫と戦う市民たちの記録という体裁をとった
この物語において,ペストの害毒はあらゆる種類の人生の悪の象徴として感じとられることができる。
死や病や苦痛など,人生の根源的な不条理をそれに置きかえてみることもできれば,人間内部の悪徳や弱さや,
あるいは貧苦,戦争,全体主義などの政治悪の象徴をそこに見出すこともできよう。
たしかにこの作品はそういうふうに書かれており, そしてなによりも,終わったばかりの戦争の生々しい体験が,
読者にとってこの象徴をほとんど象徴と感じさせないほどの迫力あるものにし,それがこの作品の大きな成功の理由となったことは疑いがない」と解説しています。

   よく不条理の文学と言いますが,カフカの「変身」には個人を襲った不条理が描かれていて,
カミュの「ペスト」には集団を襲った不条理が描かれているといわれています。
不条理を前にすると,本当の人間の姿,すなわち実存的人間が明確に表れるといわれています。

   あらすじに書かれている『悪』に対比するものとして「誠実さ」や「連帯」「共感」「反抗」等の言葉も登場します。
カミュは主人公の医師のリウーに「ペストと戦う唯一の方法は,誠実さということです。」と言わせています。
   
    病疫は突然に退潮しましたが,「ペストと生の賭けにおいて,およそ人間が勝ちうることができたものは,それは知識と記憶とであった。」
そして,「市の門が開けられた後,人々は相変わらず同じようだった。」と締めくくられています。



   北・上・左京合同作品展            
  

令和2年9月29日(火)午後1時から10月4日(日)まで。
午前10時~午後5時までの展示。京都市万華鏡ミュージアム姉小路ギャラリーにおいて開催します。作品出品のご予定をお願いします。なお,搬入・展示は9月29日(火)午前中に行います。搬出は10月4日(日)午後5時からです,ご準備の方お願いします。
  

 
  北支部ホームページ

  磯野進司様,山田佳男様のおかげで北海道支部も参考にされているというホームページです。
  京都市退職校長会北支部と入力すれば見ることができますので,感想などをお寄せください。

   

   会費納入御礼

   丸田まゆみ会計のおかげで本部への納入が無事終了しました。ご協力ありがとうございました。


   訃  報
  

越後 均 様 (最終校 鳳徳小学校)令和2年2月7日
          ご逝去     ご冥福をお祈りいたします

               花見小路