国産オオクワガタ(Dorcus hopei binodulosus)の飼育

■国産オオクワガタについて

オオクワガタは、一般には幼虫で1〜2年間、成虫で2〜5年間生きる寿命の長いクワガタ虫です。性格については、ヒラタクワガタと違い大変おとなしい性格をしています。

■飼育方法について

○成虫の飼育方法

プラスチック製の飼育ケースに雄雌別々に飼育したほうが良いでしょう。雄なら小サイズの飼育ケースで雌ならミニサイズの飼育ケースが良く、クヌギマットを厚み5cmぐらい入れ(常に適度な湿り気が必要です。)転倒防止用の木の破片なども入れます。エサは昆虫ゼリーを切らさないようにします。4月〜10月頃は活動時期で11月〜3月頃は仮眠時期(冬眠)です。11月〜3月の仮眠時期は、エサの必要は無く乾燥しない程度に霧吹きをしてあげてください。また、マットを通常より厚くして潜れるようにしてあげてください。飼育場所は、直射日光が当たらない場所を選び、夏場は比較的涼しい所で冬場は室内の暗い所を選びましょう。

○産卵方法

5月頃(仮眠から目覚めエサを食べ始めてからしばらく日数が経ってから)からペアリング(雄雌を一緒に小サイズの飼育ケースに入れる)を開始し、1〜2週間経つと雌だけを産卵用飼育ケースに移します。産卵用飼育ケースのセットは、中サイズの飼育ケースに産卵材(半日水に浸けた産卵木を1日日陰干しをする)を横にして半分ほどマットで埋めてエサゼリーを入れて完了です。産卵材は、中サイズの飼育ケースの場合2本入れるのが良いでしょう。雌を産卵用飼育ケースに移してから約1ヶ月経つと雌を取り出し更に2〜3週間そのまま暗いところに置いておきます。

○幼虫の飼育方法

産卵用飼育ケースから産卵材を取り出して、マイナスドライバー等を使用して慎重に産卵材を割って幼虫を傷つけないように取り出して、プリンカップ等に発酵マットを詰めてその中に幼虫を一頭ずつ入れて一時保管(2週間ぐらい)します。そして、その間に幼虫飼育用の菌糸瓶や発酵マットを詰めた瓶を用意します。ここで、幼虫飼育方法は、菌床飼育・発酵マット飼育・飼育材による飼育が有り、一番自然に近い飼育方法が飼育材による飼育で菌床飼育は一番人工的な飼育です。ここでは菌床飼育を例にとって紹介します。菌糸瓶を準備する方法としては、菌糸瓶を買ってくるか菌床ブロックから瓶に詰め替える方法とが有り、コストを抑えようとすれば菌床ブロックから自分で詰め替えることになります。また、一概に菌床ブロックと言っても種類とコストパフォーマンスは色々と有ります。菌糸瓶が準備できれば、一瓶に一頭ずつ入れて約3ヶ月を目安に交換し、暗いところで保管します。その際、夏場はできるだけ涼しい所で、冬場はできるだけ温度が極端に冷え込まない所で保管しましょう。成虫までの使用瓶数は、雄で3〜4本、雌で2〜3本使用して羽化させることがポイントとなります。

注)大きな成虫を羽化させようとすれば、菌糸瓶飼育が一番の近道ですが、瓶交換のタイミングが重要となり、できるだけ使用本数を抑えてタイミングよく交換することです。クワガタ虫やカブト虫は、成虫になってからでは大きく成ることができませんから、如何に大きな幼虫を育てて大きな蛹から成虫を羽化させれるかがポイントとなります。