趣味の拘り

国産オオクワガタ飼育の私の理想

 

近年、極太・極厚と言われる固体が良く賑わいを見せています。また、極太・極厚の代名詞が阿古谷産と思うくらい、阿古谷産固体に極太・極厚が多く、巷で出回っているように思えてなりません。

阿古谷という土地は、兵庫県川辺郡猪名川町の中東部に位置し、大阪府豊能郡能勢町との府県境にある三草山の南西面にある地区を上阿古谷その南側が下阿古谷という地区にあたります。この辺り(大阪府域も含めて)は、自然豊かな地域で国産オオクワガタのメッカとして有名な所です。

私も極太固体に引かれた一人で、念願叶い昨年ようやく極太固体と言われる成虫を手に入れることが出来ました。最近は、以前よりも手に入れ易くなったように思います。これは、極太固体をブリードされる方々が増えたため、供給側が増えたことにより価格が少しダウンしてきているからでしょう。しかし、最近では超が付くような極太・極厚が出てきていますので、まだまだ進化することでしょう。私の目標は、体長80ミリ・顎幅6.5ミリ・頭幅28.5ミリ・胸幅30ミリという理想を追い求めて、ブリードしていきたいと思っています。

 

私のブリード計画

私は、常温飼育をしています。これは夏・冬場のエアコン等の電気代を節約しているだけではなく、強い固体を羽化させるためという考えも含まれています。人間でもそうですが、雑菌等に触れる機会の少ない人はチョットした環境の変化で体調を崩してしまうことが多い。また、南国育ちの人は暑さに強く、北国育ちの人は寒さに強いというように、環境の変化に順応できることが良いと考えるからです。昆虫の世界でもそれは言えると思うからです。突然変異的に生まれた固体は長生きが出来ないということが多いです。これは羽化に体力を消耗するからでしょうが、そもそも生き抜く強さが備わっていないからだと考えます。

私の飼育場所では、夏場は30℃を超え、冬場は氷点下こそなりませんが3℃程度という状況です。このような状況で飼育している我が家の虫たちは、殆んどの固体は羽化してから3年は生存します。また、早期羽化する固体は皆無です。当然と言えば当然なのですが、そのことで強い固体が生まれてくると考えています。

オークションなどで有名血統を入手しても我が家の飼育下においては、夏場の温度が高く早期羽化する固体が続出します。また、ショボイ固体となり全く期待ハズレに終わります。これには、幼虫そのものが元から期待ハズレのものを掴まされているからかもしれませんが・・・。それと、昨年には越冬・未使用・交尾済固体という触れ込みで購入したポ○イP−1♀が産卵行動する事無く☆になってしまいました。到着後、1週間休養を取ってからセットしたのに、なんじゃこりゃ!!!

私のブリードの年間工程は、5月の初旬にペアリング開始し約1週間(5日程度で十分である)同居させる、中旬から6月中旬まで約1ヶ月間産卵セットし、♀を取り出し後2週間置いてから割り出しをする。割り出し後は、プリンカップのマットor菌糸に投入し、2週間程度様子を見てから菌糸ビンに投入する。菌糸ビン投入時期は、♂の場合で7月・10月・3月という基本を目安に交換のタイミングとしている。但し、個々の幼虫により食べるスピードが違うため1ヶ月程度前後する場合がよくある。♀の場合は、出来るだけ2本での羽化を考え7月・11〜2月というように2本目への交換のタイミングに相当期間を要することとなってしまっている。また、菌糸の劣化状況により3本目への交換を余儀なくされている。♂の交換では、過去に2本目への交換時に1500cc以上の菌糸ビンを使用することでそのまま羽化まで持って行けた場合があり、その時は挙って優秀な成績を挙げられた。