鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


あとがき



やっと筆を置くことができた。

 途切れたりまた始まったり、また途切れたりしながら、

 長かった前の恋が、やっと今終わった。


 「隔靴掻痒」開設以来、サブコンテンツとして重きをなしていた「バツイチ道」。

 最初は文字通り「自らの離婚への道のり」をもっと淡々と振り返る、

 それだけのつもりで書き始めたのだが、

 いつの間にか、「一つの恋の始まりとその崩壊の物語」へと変わっていってしまった。

 たまたまその恋は「結婚」という形こそとったものの、決して成就はしなかった。


 恋はいつしか激しさを失い、色あせて、そして枯れて、

 ほどよく水気や油っ気が抜けてこそ「愛」へと変わっていくのだろうが、

 あの恋は「恋」のままで終わった。

 いつまでも瑞々しい恋のままで、僕の中に残っている。

 結婚して、離婚を経て。

 やっと終わることのできた、そんな恋の物語。

 そうしなければ終わることができなかった、ある恋のお話。




 あの時ハンコをついてから、ほんのしばらくして僕はまた恋を拾った。

 これで思い残すことなく前を向いて歩ける。

 僕自身、この話を読み返すことは、もう二度とないだろう。


 とにかく、二度目はない。

 期待しないよーに。


 そして本当に。

 今まで読んでくれて、ありがとう。

 心より感謝を捧げます。



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