足の指の間が痒くなる心意気
2003年6月10日(火)「夢の実現」 |
酔って帰る深夜の電車。急に下腹部に差し込みが。さては一服盛られたか、と思う間もなく便意だと知れる。この場合「盛られたか」ではなく「漏れそうだ」が正しい。 次に停まったテキトーな駅で慌てて降り、トイレに駆け込む。見慣れたトイレの光景とは何か少し違ってはいたがその違和感を味わっている余裕は、もはやない。 用を足し終え、鼻歌混じりでパンツとズボンをたくしあげ、個室を後にする。と、トイレの出口近くに見慣れないモノを見付けた。オムツ替え用のベビーベッド。ふと見るとこのトイレ、壁がピンク色だ。あ、……小便器がない。これが違和感の正体だったか。 そう、慌ててか酔っ払ってか、女子便所に闖入してしまったのだった。女湯と並んで女子便所という所は、古来より男にとっては憧れと神秘と恐れがないまぜになった、複雑な感情と、切ない感傷のターゲットなのである。入りたいような、入っちゃいけないような。もちろん入っちゃいけないのだが。……そんな場所に入るどころか、用まで足してしまったのだ。 しかし酔っ払ってへろへろの、こんなカタチで夢が叶ってしまうとは。もっともこんなカタチでなければ成し得なかったことではあるが。 幸い時間も時間で、隣の個室には使用者は現れなかった模様。左右を見回し、そそくさと女子便所からホームへ。しかし、もし他人が見ていたら「そそくさ」ではなく名残惜しそうに見えていたかも知れない。今度はゼヒ一度、この手で「女湯」にチャレンジしてみたいモノである。 |