足の指の間が痒くなる心意気
2003年2月2日(日)「魅惑の変身」〜日曜日の恋愛論 |
化粧や髪型一つでホントに女性は変わる。 わんこが二次会用の衣装合わせに行った。ヘアメイクのリハーサルもする、と言う。その帰りがけにデートしたのだが…… 待ち合わせ場所に立っていると、向こうから見慣れた服装のきれいなおネェちゃんがやって来る。でも、その服の上に乗っている顔や頭は、どう見たってわんこのそれではない。別人だろう、と思い定め再び手に持った文庫本に目を落とす。 「3太郎さん♪」 目を上げると先程のきれいなおネェちゃんが隣に立っている。え? あ……わんこや。いやぁ、見違えた。 顔は真ッチロけだわ、頬紅は入れてるわ、マツゲはダダ黒いわで。タカラヅカの人みたいだ。変身と言うか、これはもう変装に近い。 「びっくりした?」 「びっくりした。いや、今もびっくりしてる」 「髪型もホラ」 「うわ。縦巻きカール。まるでお蝶婦人じゃなくって?」 「おほほほほ。キレイ?」 「うん。キレイキレイ。でも……」 どうもあの手の化粧は写真映りを重視してるようで、離れて見ると確かにキレイなおネェちゃんなのだが、近くに寄ってみると、どうしたってケバケバしさが目に付いてしまう。わんこには悪いが正直にそう申し上げると。 「うん、ワタシもそう思ってた」 あっさりと化粧を落としにトイレに入るわんこ。化粧を落としたわんこは、いつものわんこだった。なんだかホッとした。 魅惑の変身は「いつものわんこ」を知っているからこそ効果的でキレイに見えるのだ。いつもの彼女が魅力的でなければ化粧したところで、きっとキレイだとすら思えないだろう。 美人は三日で飽きる、とはよく言ったものである。 |