鶴橋鶴一ホルモンOFF
2002.01.12


鶴橋…そこは大阪で、いや、おそらく日本で一番焼肉屋の集まる町
JR環状線と近鉄線、地下鉄の交わる、大阪市南東部の一大ターミナルであるはずのこの町は
駅を降り立つと同時に鼻を突く焼肉の香りが漂い、
そして同時に目が痛くなるほどの焼肉の煙が濃密に立ち込める不思議な町…
そして、この日。この駅に4人の男たちが降り立った!


2002年1月12日、午後7時55分

定刻の5分前。鶴橋駅西口に俺は到着した

ここで今日、3人の男たちと落ち合う手はずになっている…が、しかし、どうもそれらしき連中はいないようだ


ひとり目は顔も知っている。性癖も体臭も知っている。そう、こいつだ…

この男の、まもなくに控えた結婚を祝ってやろうと、今日は俺のほかにあと2人が集まるはず

二人目はこいつ…アイドル好きの大学生。

奴の文章から鑑みるに、「きっちりしたヲタク」の風貌を見事に備えているはずだ…

そしてもうひとりはこの男…もともと関西で漫才師をしていたという、岡山産の男

漫才師というだけあって、おそらく三味線かアコーディオン、またはノコギリを

常に肌身離さず携えているに違いあるまい…

そろそろ時間だ…俺は腕時計を覗き込み、もう一度周囲を見渡す

熊のぷーさんのごとく、邪悪かつ愛らしい外見で恋人をだましきったこいつも、

見るからにヲタクっぽい風貌を備えているであろうこいつも、

ノコギリを持っているはずのこいつも…誰一人見当たらない。

(おかしい…静か過ぎる…)

行きかう人々の雑踏、電車の軋むブレーキ音、店々から通路まで漂い出してくる焼肉のにおい…

そういうもの一切を飛び越え、静寂の中に五感を研ぎ澄ます…

どこからか感じる何者かの視線…そのとき!携帯電話が鳴る!

「もしもし。わたしだ…」

「あ、かあくんですー。どこにいはるんですか?」

やはりはもうこの近くに来ている!慌てて周囲を見渡す!

するといつの間にか背後に…邪悪なぷーさんがスーツ姿で立っているではないか!

やっさん、ハケーン」

続いてすぐ1m左に、白皙の聡明そうな美少年が電話を片手に、立っていた。

う、ウソだ…ヲタクのはずじゃぁ無かったのか…?

もう一人だ、は岡山産。きっと大きな荷物を持ってうろうろしているに違いあるまい

やっさんに電話をかけてもらう。

すると…停めた自転車の荷台に腰掛けて電話している、地元青年ぽいやたら溶け込んでる奴が…志(こころざし)だった…
ご丁寧に特注だというジャンパーの袖に「志」の刺繍…それでも気づかれない、コイツは哀しすぎる

それぞれにとって、あっけにとられる出会いの後、

焼肉屋の中の焼肉屋、King of Kingsとも言われる
「鶴一」へと向かう

今日の目的はやっさんの結婚を祝うと同時に、サイトに書いてあるとおりホンマにアフォほど食べるのか?

それをこの目で確認しに来た、といっても過言ではない

さあ、席に着き肉を頼む

次々に現れる肉、そしてビール。

「では、やっさん
ケコーンにかんぱーい!」

乾杯もそこそこにあっけないほど4人の男達の胃に納まっていく肉と酒

話はお決まりのサイトの裏話、ハンドルネームの由来…しかしなかなか一癖もふた癖もある奴ら。これがオモロイ!

そして、この4人に共通する話題といえば、「薔薇」だ
いや、決してこの4人の誰かもしくは全員が薔薇だとかホモだとか言うわけではなく、あくまでもネタであって、だから、決して誰も薔薇でもホモでもなくって、あのその…

少し気を抜くとすかさず、「今、机の下で手をつないでるんじゃないか?」と突込みが入る

まったく油断もすきもないこの薔薇OFF、あ、いやホルモンOFF


さらに。今日はやっさんの実家にが泊まるという。これは…トラの穴に肉を投げ込むようなものだ。
いや。どちらがトラだと言う訳ではないが…


ところで。
さきほどかあくんが白皙の聡明そうな美少年だと言った
どれくらい美少年かと言うことに触れておこう
彼はモテ系だ。はっきり言ってモテる。特に
海獣系にもてるらしい。
すきな海獣は迷わず
「セイウチ」だと言ってくれるだろう
もちろん、そのセイウチ言葉もしゃべるし二本の足で歩くこともするそうだ。
ま、人の趣味の話だから、かまわないのだが。


のボケも特筆に価する。
当「隔靴掻痒」には毎日のニッキに短歌の上の句だけを併記している。
何か思いついたら下の句を投稿して貰おうと思っているのだが。
彼は毎日のように投稿してくれる上得意さんだ。しかし。
いつも彼の投稿してくる下の句は、どこかおかしい。どこか物足りなかった。
俺はその理由に気づいていたのだが…あえて今日の日を待って、直接本人に疑問をぶつけてみた。
「志、あの、短歌いつもありがとう」
「あ、いえいえ。そんな」
「ところでさ、短歌って、五・七・五・七・七やんな?」
「ええ、知ってますよ!」
「君の投稿してくれるの、いつも、
五・七・五・七・やねんけど」
「…マジですか!あれ〜〜〜っ!?俺のなかでは五・七・五・七・七やったんですけどねぇ?」
「ちゃうわーい!!」


さらにやっさんココだけの話…こ、これは書けない。書くことはできない。封印しよう、そうしよう。できるだけ、そっと…



このOFF会は実に楽しかった。時間は短かったがそれだけ濃ゆい時間を共有できたと思う。

やっさんの噂にたがわぬ食欲(さらに彩華ラーメンにいくぞ、と言ってた)、
やっさんのスーツで締め付けられた腹回りが妙にくびれていて「ボン!きゅっ!ぷりん」状態だったのは内緒にしておこう

の豪快な高笑いと桁外れの天然ボケ、
もう彼も五・七・五・七・七で投稿してきてくれるだろう

そしてかあくんの細かく、かつ鋭い突っ込み!
こいつ、ただのアイドルヲタではないな!

まったくよく笑った。


全員腹をお肉で重くして。お脳はスポンジにして軽くして。

やっさんはやっさんの実家へ、
きっと二人で目くるめく熱い夜を過ごしたであろうことは内緒の方向で

かあくんと俺は環状線で大阪方面へ
途中の桜ノ宮駅(大阪でも有数のホテル街)に着いた時、かあくんがそっと手を握ってきたのも内緒の方向で

こうして男4人の熱い宴は終わりを告げた

しかし。こうまで盛り上がるとは…

3人に殊のほか濃ゆい感謝をささげてこの項を閉じたいと思う

いつかまた。

4人で飲んで笑える日の来ることを夢に見ながら…


おまけ:やっさんのオフレポ  志さんのオフレポ  かあくんのオフレポ


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