『 親鸞とパウロ』 教文館　１９８８、

　　　　　　目次
はじめに
　略号表
第一部　従来の比較研究から結像される親鸞とパウロの擬似的一致
　一、罪の自覚とその構造
　二、絶対他者との出会い
　三、彼岸からの来臨
　四、信による救済
　五、罪悪人の選び
　六、迫害を超える布教
第二部　批判的検討
　第一章　罪の意識をめぐる相違
　　一節　パウロにおける回心前の罪意識
　　　一、回心前の罪の有無
　　　二、律法が引き起こす罪意識
　　　三、現実の教会迫害の罪
　　二節　親鸞の青年期における罪意識
　　　一、青年期の三夢記
　　　二、女犯偈と罪意識
　　　三、破戒無戒は真宝
　第二章　絶対他者との出会いの有無
　　一節　キリストとの出会いの決定的意義
　　　一、キリストとの出会い
　　　二、霊なるキリスト
　　二節　阿弥陀仏との出会いの欠如
　　　一、仏立三昧の欠如
　　　二、法然との邂逅
　第三章　来臨待望と来劫批判
　　一節　終末論と来臨待望
　　　一、終末・来臨思想の系譜
　　　二、キリストとの出会いと終末意識
　　　三、ギリシャ諸都市と来臨思想
　　　四、生前来臨説の撤回
　
　　二節　臨終来迎の批判
　　　一、平安末の感覚的浄土教
　　　二、世親・曇鸞の思想との遭遇 　　　三、十九願位の批判
　　　四、孤立する救済思想
第四章　信仰義認と信楽獲得
　　一節　信仰義認論の形成
　　　一、信の対象イエス・キリスト
　　　二、「自力か他力か」という問い
　　　三、律法と信仰
　　　四、義認と究極的救済
　　二節　おのずからなる信楽獲得
　　　一、浄土教とパウロの思想
　　　二、名号と聖霊（二十願位批判）
　　　三、十八願位への転入
　　　四、難中至難の信
第五章　聖霊と仏性
　　一節　霊肉の葛藤
　　　一、イエス・キリストの歴史的一回性と聖霊
　　　二、アダムにある人間
　　　三、存在（アダム）の罪と行為（律法）の罪
　　　
　　二節　煩悩即菩提
　　　一、仏性と阿弥陀仏
　　　二、顛倒妄想と仏性
　　　三、悪人正機の超克
　　　四、親鸞の地獄
第六章　霊の共同体と同行
　　一節　霊のイスラエル
　　　一、キリストと共なる生
　　　二、共同体形成の論理と儀礼
　　　三、ユダヤ教徒からの迫害と世俗権力の肯定
　　　四、共同体内の倫理（キリストの律法）
　　二節　同行
　　　一、現生正定聚
　　　二、破戒無戒と同行
　　　三、神祇不拜と権力からの弾圧
　　　四、無上覚をさとる
附論　資料について
　一、パウロに関する資料
　二、親鸞に関する資料
あとがき