姫路城は売られたんでしょうか。崩壊寸前の姫路城とは。

姫路城は売られました。明治4年廃藩置県に
よって、各地の城は無用の長物となりました。
次々と売られ、取り壊されていきました。個人
所有の城(犬山城など)もありましたが、姫路城
は、競売の結果、城下の神戸清一郎(かんべ
せいいちろう)さんが、23円50銭で落札しまし
た。立県当時の公務員の初任給は4円でした
から、なんとわずか6ヶ月分の給料です。
現在に置き換えますと、120万円程ですから、
買ってもどうしようもないと考えていたようです。

取り壊しに莫大な費用が掛かることから、燃やし
て釘や金具などの鉄を取ることも考えたようです
が付近の住民の反対などで諦めました。結果は
持て余して落札を辞退したのが本当のようです。

昭和2年になって(約80年後)神戸さんの子孫が
所有権を主張して、裁判に持ち込もうと考えたん
ですが、既に修理も国の手で行われていた事か
ら、弁護士も相手にせず、諦めたようです。現在
でしたらどんな悪人にも弁護士が付きますから、
この件では、正当の権利を主張するでしょう。
それは大騒動になる事請け合いですが。

写真は昭和初期のものですが、崩壊寸前です。
三の丸や現在の動物園や外堀内や城下の武家
屋敷には廃藩当時には家族を含めて8600人も
の人が生活していたんですが、櫓や渡り廊下な
どは崩壊するままでしたし、備前丸(城主の住ま
い)も明治15年に焼失しました。