戻る


祟り 第二部

作:HIKU


時は流れ

今は西暦2000年

森林の奥の谷間にあった小さな村は遠い昔にはそれなりに栄えていたが、

ここ数十年前から過疎化が進み今では廃村になってしまった。

村にある家々は古く半ば朽ち果てている。

村に唯一の社も同様に朽ち果ててしまっている。

村にある墓も荒れ放題、訪れるものもいなかった。

しかし、そのような廃村に珍しく人の気配があった。

どうやら青年のようであった。

年の頃は16,7位だろか。

服装は長袖に長ズボン、色は薄い茶色、頭には探検家がかぶるようなもの

と言うより探検家スタイルそのものだった。

背中にはリュックを背負い

手には地図と磁石を持ち

腰には丈夫そうな捕獲網がさしてあった。

青年の名前は

斉藤 和己

胸元にネームが縫い込んであった。

青年は休めそうな所を見つけるとリュックをおろし一息ついた。

リュックの中になにが入っているのだろうか。

青年は嬉しそうにリュックを開け中のものを取り出した。

小さな包みを一つ取り出した。

どうやら弁当らしい。包みを開くとおにぎりが5つあった。

そしておもむろにほうばり始めた。

そしてあっという間にすべてを平らげ腰の水稲を開け飲み始めた。

薄いグリーンをしているからたぶんお茶だろう。

ごくごくと半分くらい飲んで青年は蓋を閉めた。

そしておもむろにつぶやいた。

「ふー、うまかった。ごちそうさまでした。」

以外と律儀な性格であった。

そしてリュックの中をのぞき込みニコニコしていた。

リュックの中には透明な円筒形のプラスチック容器がいくつかあった。

その中の一つに何かが入っていた。

それは、一匹の蛇であった。

その容器を取り出すと、そっと蓋を開け蛇を取り出し頬ずりをした。

「かわいいやつ!」

どうやら青年は爬虫類マニアであったようだ。

しばらくそのままでいたが

「さあ、又この中で待ってるんだぞ」

「おまえの伴侶をさがしてやるからな!」

そういって青年は蛇を容器に戻し蓋を閉めリュックへと戻した。

「さて、又探すとするか!」

そういって、青年はリュックを担ぎ廃村の外れへと向かった。

しばらく行くと、灯籠ようなものに出くわした。

「うーん、これはいそうだな、こういう石の隙間に良くいるからな」

しばらく灯籠の周りをまわり隙間がないかをしらべていた。

隙間を見つけたのか立ち止まった。

そしてリュックをおろし、空の容器を一つ取り出し

そして石をおろし始めた

順番にゆっくりと慎重に石をおろしていった。

そして隙間の空いていた石をどけると

予想通りに一匹の小さな蛇が眠っていた。

それは見事に真っ白なアルビノの蛇であった。

青年はそっと蛇をつかみ容器に入れようとしていた。

「ほーら、怖くない、怖くない、大丈夫だよ」

と、蛇に話しかけつかみあげた。

おとなしくしていた蛇だったがさすがに蛇も身の危険を感じたのか

掴みあげられたとき青年の指に噛みついた。

しかし悲しいかな蛇は小さすぎたのであっさりと青年の手でもぎ取られ

容器へと入れられてしまった。 

青年は蛇にかまれた指を見つめた。

小さな噛み傷があり、血が”ぶくっ”と出ていた。

青年は、血の出ている指をくわえ力一杯に血を吸い出し”ぺっ”と吐き捨て、絆創膏を巻き付けた。

「ふー、ちょっとびっくりしたなー、油断してたなぁ」

「まあ、痺れてないから毒はなさそうだな」

「良いのが見つかったし、さてと帰るとするか」

そういって青年は今捕まえた蛇の入った容器を眺め微笑みやってきた道を戻っていった。

だがその後灯籠のあったところが霧のようなものが発生して、その後をついていった

やがて、その霧のようなものはリュックに吸い込まれたかのように消えてしまい、

その瞬間リュックが少し振動したようだったが

そのことに青年は全く気づいていなかった。

 


皆さん、こんにちは作者のHIKUです。第2話で終わる予定でしたが変更しました。と言ってもただうまくかけないからです。第2部はちょっと違った作風になっていると思いますが、いかがでしょうか。残念ながら第2部でも萌え萌えはありませんでした。すいません、第3部を期待して下さいね。では


戻る