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流刑星3.03

作:HIKU


無限に広がる大宇宙。

ほとんどが、まだ人類の訪れていない未知の空間だ。

俺が一人で旅を初めて、早くも2年が経った。

我が愛すべき宇宙船は、“スターフロント”

俺の名前は“レオン・シュナイダー”、22歳である。

いささか、孤独な旅に疲れもした、どこかの星でのんびりしたいと考えていた頃に、

我が身に起こった、出来事である。

 

いつものように、何もない宇宙空間を進んでいた。

そしてたまたま、恒星系の近くを通ったとき、

「こころとからだのなやみかいけつします。」

と、いきなり、通信機が鳴り出しのだ、それも少女の音声で。

そして、すぐに我がコックピットに少女が現れたのであった。

そして、その少女は一枚の名刺を差し出したあと、

「悩みがあったら、うち明けてねっ。」と、一言言うと、俺の顔にスプレーを掛けてきたのだ。

それから、しばらくの間、俺は意識がなかったらしい。

気が付くと、少女は影も形もなく消えていた。一枚の名刺を残して。

しかし気分は爽快だった。今まで溜まっていたものがどこかへ消えてしまっていた。

少女が何をしたのだろうと考えた。そもそもホントに少女なんか居たのかと考えたが、

一枚の名刺が落ちていたし、船の重量記録にも一時的な増加が記録されていた。

そのあと、惑星の重力圏に入ったとき、いきなり船の調子がおかしくなった。

通信機は火を噴くは、エンジンの出力は下がるは、燃料計はどんどん下がっていくは、

船のメインコンピュターは「サヨナラ」を発し続けているわ、もう手に負えない状態だった。

俺はまだ死にたくなかったので、惑星に降りる決心をした。

船が持つかどうかは解らなかった。取り敢えず、全チャンネルオープンで通信を送ってみた。

そして、あとは運を天に任せたのであった。

 

 

あれから、この惑星では10年の歳月が流れていた。

この星に男はいない、一人いた若者も、腎虚で8年前になくなってしまった。

やはりやりすぎは体に毒だと言うことだろう。

あれから子供も沢山産まれた、127名全員が妊娠出産していたからだ。

今やこの星の住民は、254名

9歳前後と20歳後半の女性ばかりであった。

産まれた子供は全員女の子であった。

男の子は一人も産まれては来なかった。

どうやらあのときに蒔かれたナノマシンが関係しているらしかった。

「村長も死んで8年立ったわね」

「そうね、最初は少し恨みもしたけど、子供が出来て女の幸せを知ってからは、そんな気持ちはどこかにいってしまったわねっ」

「そうそう、私なんか良く彼のところへ行ったわ」

と、村のリーダー、5人が集まって話をしていた。

「でも、あれから10年たって、娘たちがいっぱい生まれたけれど」

「このままでわねー」

「そうねー、今のうちに対策を考えておかないとねー」

「この先が、不安ですものねー」

「そうですわねー」

そうして、1時間程度話し合いが続いていた。そのときだった。

壊れているはずの通信機から、ノイズ混じりの音声が聞こえてきたのであった。

「・・・われ・・・エンジ・・ラブルの・・・そちらの・・・に・・・りくする」

それっきり、通信機からは、何の音も出てきやしなかった。

「今の通信!」

「・・・・」

「・・・・」

「男!」

みんな口々に騒ぎ始めていた。

「男、男が来るのよ」

「そうだわねっ、エンジンの故障みたいだったわねっ」

「どのくらいの男がいるのかしら?」

「一人じゃ困るわよねっ」

「そうね、最低10人くらい欲しいわねっ」

「いいえ、100人は欲しいは!」

「でも、一人しかいなかったら。」

「そのときは、共有財産よ。」

そうこうしているうちに、衝撃音が伝わってきた。

リーダーたちは慌てて外へ出てみると、すでに村人全員が外に出て空を見上げていた。

恒星間航行型の宇宙船が降りてきていた。

エンジンがかなり不調らしく、よろよろしながら村はずれの方に着陸していった。

着陸した宇宙船を見ると、小型艇で50mほどの大きさであった。

やがて、タラップが降りてきた。そして一人の青年が降りてきた。

そして、女たちの方へと歩いていった。

「ここのリーダーは誰ですか?相談したいことがあります。」

すると、女たちは彼を取り囲むようにして、集会場へと連れて行った。

やがて、一人の女性の前へと彼は案内された。

女性はにこやかに彼と挨拶をした。

「私は、この星の長、シリア・スティングレーです、」

「この星へ、ようこそいらっしゃいました。」

「私たちは、あなたを歓迎します。」

そして、彼とリーダーの女性たちは集会場へと入っていった。

やがて1時間ほどたって彼と彼女らは出てきた。

そして彼はリーダーと握手をすると、宇宙船へと帰っていった。

そのあと、シリアはみんなに話を始めた。

「彼の船は、エネルギーも底をつきかけ、通信装置も、亜空間使用は使用不可能で、通常の物の不安定だそうです。」、

「従って、救助も呼べず、彼は、ここから出ては行けないそうです。」

「船は、当面の間、残っているエネルギーで食料生産を続けられるそうです。」

「その間に、彼は新たに大地を耕し、食糧を確保するそうです。」

「居住についても、宇宙船をそのまま使用するそうです。」

「あと、彼との交流は自由にしてもらってけっこうです。」

「何せ、8年ぶりの男ですからねっ。」

「でも、彼一人しかいません、皆さん無茶をしないようにねっ。」

「これで、すこしはこの星も救われることになりそうです。」

「さあ、私は、このあと彼を食事に招待しています。」

「皆さんも、彼を順番に招待するようにして下さい。」

「あとは、お好きにねっ!」

「それでは、解散!」

そうして、女たちはそそくさと各自の家へと戻っていった。

そして夜が来て、シリアはレオンを招待したのだった。

そして食事が終わり、明かりも消えたがレオンの帰っていく姿はなかった。

それから約半年、村の女たちは全員お腹が大きくなっていた。

そして次の年になると、次々と子供が産まれていった。

最初に、子供を産んだのは、村長の“シリア”であった。そして次々と子供が産まれたが、

不幸なことに、生まれてきた子供は、男でもなく女の子でも無かった。

つまり、どちらの性も未発達なのであった。

やがて彼女たちは、産褥期間があけると、彼と、夜を共にするようになっていった。

そして“シリア”も“レオン”と、一晩、共にしたのだった。

しかし、シリアはレオンの躰の微妙な変化に気づいたが言おうとはしなかった。

次の日の朝、

シリアは朝食を用意して、レオンと共に食事をしていた。

そのとき、急に“レオン”が言った。

『躰が変だ』

「どんな風に?」と彼女は聞いた。

『最近、やり過ぎかどうか解らないが、俺の息子が縮んでいるようなんだ。』

『それに、手足の力が弱くなったような。』

と言っているうちに、加速的に“レオン”の身体の変化が始まっていった。

『どうしたんだ、これは、俺の身にいったい何が起こっているんだ!』

「それは」と、言いかけたが彼女はその先を言えなかった。

次に身長が縮みだした。

『着ている服がダブダブになっていく、部屋が大きく見える、なんだ!』

『それに、足が内股になってしまうぞ、』

『おー、臑毛がどんどん抜けていくー!』

『おまけに、日焼けしているはずの皮膚も白くなっていくじゃないか。』

そして、20cm程度縮むと、次の変化に移った。

顔つきがふっくらとした感じになり、喉仏が消え、肌もきめ細やかになっていった。

彼は喉をさすりながら言った。

『何だ、この声は、おまけにひげが無くなっている。』

そして今度は、胸とお尻に脂肪が付き始めた。

『おいこれは、胸が、女みたいに膨らんでいる。お尻もだ。』

彼は、自分の胸を強く握ってみた。

『イテテテテテッ』

次に優しく撫でまわしてみると、背筋がゾクゾクするような快感が走った。

そして、股間が急に疼き出したのだった。

両手で押さえると、それは、小刻みにふるえながら、小さくなっていった。

『俺の、俺の自慢だった物が・・・』

やがて、それは消えて無くなり、次に激痛が走った。

それは、股間をドリルで削られるような痛みだった。

そして、お腹の中を虫が這いずり廻るような感覚がしていた。

そして、その感覚が二手に分かれ、やがて停止した。

そして痛みと蠢く感覚が共に消えていった。

痛みが治まり、あてがっていた手でなぞってみると、指先がめり込んでいった。

そしてその指を優しく動かしてやると、また背筋にジンジンするような快感が走った。

そして、全身に力が戻ると、気分がとても爽快な物となった。

「ねぇ、レオン、もう解っていると思うけどあなたは女性になってしまったの。」

『どうやら、そのようだわねっ。男の言葉を喋ろうと思うんだけど、旨くいかないわ!』

『どうして、こうなってしまったのかしら』

「それは、11年前に起こったことを話さないといけないわねっ」

そうして“シリア”は当時の出来事を彼に話したのだった。(詳しくは、流刑星2にて)

『なるほど、そうだったのねっ』

『仕方ないわね、もうこの姿では“レオン”は不味いわねっ、』

『そうねー・・・・・わたし“プリス”がいいわっ!』

「いいわねー、それじゃ今日からあなたは“プリス”」

『ねぇ“シリア”これからは、女性のこと色々と教えてねっ』

「いいわよ、」

「ところで、どんな風に変わったか、私に躰を見せてよ。」

そう言って、“シリア”は“プリス”の着ていた男の服をはぎ取るように脱がしていった。

そこに現れたのは、すでに、完璧な女性であった。

「きれいよ〜、もう私たちと全く同じね。」

『ちょっと、恥ずかしい!、男だったときは見られても平気だったのに、これが女性の感覚なのねっ。』

「ねぇ、どんな風に変わったか試してみる?」

『そ、そうね、お願いするわ!』

そうして、シリアはプリスの手を引っ張って、そのまま寝室へと消えていった。

やがて、寝室からは二人の嬌声が果てしなく続いたのであった。

 

FIN

 


続きは、流刑星4の予定です。

次は、子供たちの成長過程かな?

でも、むずかしいなぁ〜。