戻る


水溜まり

HIKU作


僕は、雨上がりのある通りを歩いていた。

水溜まりを見つけては、「ポンッ」と、ジャンプをして飛び込んで遊んでいた。

いったいいつの水溜まりに飛びこんのだろう。

ふとっ、振り返ると大きな水溜まりが目に入った。

「あれっ?さっきはなかったような・・・」

水面に日が当たってその水溜まりは「キラキラ」と輝いていた。

僕はその輝きを眺めていたが、

少し駆け出すと思いっきりジャンプした。

「エイッ!」

そして、着水した瞬間水が飛び跳ねるだろうと思っていた僕は、

その水溜まりを突き抜けて、深く沈んでいった。

「うそだろ〜!?」

そこは、別に息苦しくもなく冷たくもなく、どちらかというとフワフワと暖かい心安らかな感じがしていた。

ところが、沈むにつれて僕に変化が訪れた。

まず着ていた服が溶けるようにして消えていった。

別に裸でも寒くはないから良かったのだが・・・

暫くすると、僕の体が柔らかい感じにそして少し色白になっていった。

「どうしたんだ、僕の体は・・・」

そして、僕はどんどんと沈んでいった。

そして、急に喉が痛いようなくすぐったいような感じがした。

喋ろうとしたが声が出なかった。

直ぐに出るようになったが、出てきた声は鈴を転がしたようなかわいらしい声だった。

「まあ〜、なんて声なのかしら〜!」

いつしか口調も変わっていた。

次に胸にむず痒い衝撃が走った、手を当ててみるとそれは少しずつ隆起していた。

「おっぱい・・・」

やがて胸の隆起が終わると

次に腰のあたりがむず痒くなって、お尻が大きくふっくらとしていった。

逆にウエストは細くなっていって、見事なくびれを作り出した。

手足の筋肉が脂肪へと変わり「ぽっちゃり」とした物になり、一回り小さくなっていった。

やがて、股間にあった男の象徴も、暑さを感じた途端に萎み始めた。

僕は引っ張ってみたが、どんどんと萎んでいき無くなってしまった。

そして、お腹の中が引っ張られる感じがすると、何もなくなった所に溝が出来ていき空間が出来ていった。

 

私はまだ落ちていた。

が、下の方に明かりが見え始めた。

「ホウッ」としていたら、

急にお尻と頭にかゆみが走った。

お尻に手をやると、丸いふさふさとした物があった。

「しっぽ?・・・」

頭に手をやると、細長い物が二つ生えていた。

「耳?・・・」

やがて、体を締め付ける感覚に襲われた。

足には、網タイツが・・・

ボディにはレオタードが・・・

そして、ハイヒールが履かされ・・・

そして、僕は穴から飛び出た。

そこは、草原だった。

僕の姿は、紛れもないバニーガールだった。

後ろに大きな木があり、その下にはテーブルと椅子があってお茶会が開かれていた。

「ようこそ!、不思議の国へ

 さあ、それではお茶会を始めよう・・・」

懐中時計をみていたウサギがいった。

「それじゃ、頼みましたよ!」

そうして、僕にポットを渡したのだった。