戻る


兄弟?2

佐樹:作


最愛の母が死んだ。
春先の寒い日だった。
父が海外へ単身赴任中の出来事だった。
連絡をしていたが、飛行機が間に合わず僕たち兄弟で母を看取った。
父が到着したときには母は冷たくなっていた。
父は声を押し殺し泣いていた。
親族に連絡を取り葬儀が行われ、僕たちは母に別れを告げた。
父は忙しい人なので、一週間後仕事のため戻っていった。
僕たち兄弟は二人で暮らすことになった。
一応父は家と僕たちの面倒を見てくれる家政婦を雇っていた。
家政婦は家の片付けと僕たちの料理を作ってくれるだけだった。
それだけで十分だった。
僕の弟は小学5年生に、僕は中学2年生になったばかりだった。

僕は母が大好きだった。
優しくてどこか儚げででも心の強い女性だった。
僕はそんな母にあこがれた。
僕は、母のようになりたかった。
そして、夜になると亡き母の部屋に僕は出入りをするようになった。
幸い、僕の体は華奢だった。背も母と殆ど変わらなかった。
そして、僕は母になるべく、母の残した下着や衣服を身に着けるようになった。
母の持っていた本なども読んで、女性としてのたしなみも覚えていった。
立ち居振る舞いから、お化粧の仕方まで・・・
そして、僕は母に近づいていった。

半年後、父が休暇で帰ってきた。
久しぶりの3人での楽しい食事だった。
その日の夜の父は晩酌の所為でほろ酔い加減だった。
その日も、僕はいつものように母の部屋で母になっていた。
父が急に部屋に入ってきた。鍵を掛けるのを忘れていたのだった。
父は、僕を見つめて言った。
「恵子?・・・
    いや、そんな筈は・・・」
僕は、見つかった子猫のように体硬くしていた。
暫くして、
「・・・恵なのか・・・?・・・」
僕は、静かに頷いた。
父は、僕を抱き寄せた。
僕は父に言った、母のようになりたいと・・・
そして、父は母の名を呼びながら僕を抱いた。
休みが終わって仕事に戻るまでの間の夜、僕は父に抱かれて眠った。

一週間後、仕事に戻った父から荷物が届いた。
中には、処方箋と薬が2種類入っていた。
その日から、朝晩その薬を飲むようになった。
弟にはビタミン剤と言っておいた。
1ヶ月もすると、僕の体には変化が現れた。
胸が少しずつ膨らんできたのだった。
さわると少し痛かった。
そのため、僕は弟とお風呂にはいるのをやめた。
それからは、毎日が楽しかった。
女の子としての成長期に入ったようで、
だんだんと胸が膨らんでいき、
お尻にも脂肪が付いていき、
肌も柔らかいきめ細やかな物になっていった。
半年たった頃には、母と同じような体つきになっていた。

そして春休み、父が帰ってきた。
夜になると、僕は母の部屋で父に抱かれて眠った。
休暇が終わり父が帰る前の日、父は弟に言った。
お兄さんの言うことをよく聞くようにと、そして同じ物を飲みなさいと。
そして、僕は弟にも同じ物を飲ませるようになった。
それから暫くした頃、僕は弟を連れて母の部屋に入った。
僕の取った行動に弟は僕はびっくりしているようだ。
僕は着ていた服を脱いでいった。

僕は何にも言わず弟に体を見せた。
そして、僕は母のタンスを開けると、母の着ていた下着を取り出しも身に着けていった。
そしてクローゼットから、ワンピースを取り出し着替えた。
その後、僕は化粧台に座り、お化粧をしていった。最後にカツラを被ると弟に向かって言った。
「どう?明、お母さんよ!」
そう言って僕は弟をを抱きしめた。
「ごめんね、明、寂しい思いをさせて・・・」
明は、じっと僕に抱かれていた。

それからの僕は家の中でも、外に出るときも母の服を着ていた。
ただ学校に行くときだけは、学生服だった。
それがとても悲しかった。

僕は夏休みにはいると父の元へいって入院をして手術をした。
帰ってきてからは、弟とお風呂にはいるようにした。
弟を呼んでお風呂に入った。
僕の股間のものはすでに無く、母とそっくりに成っていた。
弟の目が、僕の体に突き刺すようだった。
その頃には弟の胸も膨らみ始めていた。
秋の訪れた頃、私は生理になった。
海外での最新の医療の結果だった。
そして、次の春が来て私は中学を卒業、弟は中学へとあがった。
私は、父の手助けにより戸籍を換え、女子高へと入学した。
私は、新しくできたセーラー服を着た。
女子高生に成れたのがとても嬉しかった。
これで母のようになれると・・・

弟も中学にあがった頃から身体に変化が早くなった。
それは私と同じものだった。
そして私は弟にも、同じように可愛らしい女の子の下着を着させてあげた。
ワンピースを着せてやり、髪をセットして薄くお化粧してあげた。
そこにはショートカットの可愛らしい女の子の明がいた。
明は、ワンピースの裾を翻すように鏡の前で何度もターンをしていた。
やはり、明も母のようになりたいのだ。
それからの私は、明にも女の子としての教育をしていった。
見た目には、二人とも女の子だった。
そして明も中学3年の夏休みを迎えた。
そして秋を迎えた頃、明にも赤飯を炊いてあげた。

 

そして私たちは完全に姉妹となった。

 

終わり

 


え〜っと、今度は兄の視点から書いてみました。少しは核心に迫れたかも・・・
ここまで、読んで戴きありがとうございました。