梅雨に入ろうとしている頃の陽の落ちた夕暮れ、都心の中央ステーション。
人々が行き交う雑踏の中、腕を組みながら独りたたずむ女性がいた。
年の頃は20歳くらいだろうか・・・
淡い色のキャミソールにお臍が見えるようなジーンズのショートパンツ、足下はミュール。
もちろんストッキングも履いていて夕日に輝いていた、ラメ入りみたいだ。
そして今流行の見せる下着のブラとショーツが見え隠れしている。
そして腕組みをして立っているので形のいい胸の膨らみがいっそう際だっていた。
しかし、表情を見てみると15〜6歳と幼くも見える・・・
化粧も薄目だし、あまり濃いものを使ってないようだった。
誰かを待っているのだろうか?
時折男性が声をかけるが彼女は相手にせずあしらっていた。
たぶん誰かを待っているのだろう、目は遠くを見つめていた。
やがて待ち人を見つけたのか、彼女の表情が和らいだ。
混雑する改札口から一人の青年が出てきた、彼女は待ちきれず歩き出し青年のところに歩み寄り腕を絡め取り寄りかかったのだった。
よく見ると、その青年はどことなく女性のようにも見えていたのだった。
私の名前は斉藤早苗、年は19歳。
もちろん女子大学生・・・女子大じゃないの、普通の大学に入ったんだけどね。
まだ1会生なの、ちょっと訳あって2回目なの。
そのわけは、事情があって半年間の間休学していたからなの。
実は私、こう見えても生まれたときは正真正銘の男の子だったの・・・
それが1年前のある日を境に起こったの。
もちろん病院にも入院させられて沢山の検査も受けたわよ。
でも原因は解らなくて1ヶ月も立たずに完全な女性へと変わってしまったの。
もちろん、今では生理もあるしきちんと子供を埋める身体よ。
だから診断書ももらって、戸籍もきちんと女性にしたし、改名もしたわ。
だから、普通に結婚できるのよ。
昔の名前はね、えーとね、斉藤健二だったわねっ。
でもね、本当は私には解っているの、あの日の出来事が原因だって・・・
でも、そのことは誰にも話していないわ、もちろん病院の人たちにもね。
それは・・・
一年前のあの日・・・
僕は、中央にある大学の一回生。
ようやく日々の授業とアルバイト、そして独り暮らしの生活にも慣れてきた頃だった。
アルバイト代が入ったその日、僕はちょっと息抜きに出かけた。
そこで、ある店の軒先にたたずむ一人の女性を見つけた。
僕好みのかわいい子だった。
周りにも、男が何にもいて声をかけるかとみていたが、誰も彼女に気づいてないような感じだった。
そんな中、僕はしばらく思案していた。声をかけようと思ったら彼女と目があった。
すると彼女は微笑むと僕の方へとやってきたのだった。
そして、「私とつきあってくれない?あなたのような男性をずっと待っていたの!」
そういうと、僕に腕を絡め寄り添ってきたのだった。
正直、僕はびっくりした。
だってこんな理想的な彼女がくるなんて・・・
まあ、僕もスタイルには割と自信あったけどね。
割とスレンダーな身体だったけど、力は結構あったからね。
僕は、そのまま彼女と食事に行くことにした。
楽しい時間を過ごした僕は、名残惜しかったけどマンションに帰ることにした。
だから、彼女の電話と住所を聞こうとしたら、「今日あなたのところへ泊めてねっ!」と言われたんだ。
どうしようかと思ったが次の日は土曜だったし独り暮らしが少し寂しいとも思っていたし、やっぱり男だし、で、彼女と帰ることにした。
途中のコンビニでお菓子や飲み物などを買ってね・・・
でもよかったよ、生活にも慣れてきて、普通のワンルームマンションだけど、やっと引っ越しの荷物も片づいたところだったし、と言っても何にもないけどね。
かえってしばらく話をしながらビデオなんかを見ていたけど疲れてきた僕たちは寝ることにしたんだ。
まず先に彼女にお風呂に入ってもらった。もちろん彼女は途中のコンビニで下着類は調達してきていた。
彼女にはベットに寝てもらうことにして、ベットの用意を終えた僕もお風呂に入った。
お風呂を出た僕は、ジュースを彼女と飲んだそして彼女はベットに、僕はソファーで寝ようとしたら、彼女が僕に行ったんだ。
「お願い一緒に・・・・・」
もちろんここまできたら、後に引くわけにも行かず僕はベットへと向かった・・・
でも、実のところ僕は初めてだったんだ。
パジャマを脱いでパンツ一枚になると彼女の居るベットに入ったんだ。
すでに彼女も、僕が脱いでいる間に同じように脱いだらしく何も着ていなかった。
その時の僕は心臓が口から出そうなくらいドキドキしていた。
彼女は僕を抱き寄せるとキスをしてきたんだ、最初はソフトなものだったがだんだんと舌を使って僕の口内をまさぐるように激しいものになってきた。
僕は僕で彼女の放漫な胸を優しく時には強く揉みしだいていった。肌が手にしっとりと吸い付くような感触と弾力がすばらしいのだった。
やがて彼女の身体から何とも言えない芳香が漂ってきた、僕は大きく深呼吸してその香りを吸い込んだんだ。
すると、何故か体中が熱くなってきて猛烈な性欲を覚えたんだ。
そして僕の分身は彼女の中に入っていったんだ。
もう何とも言えない体験だった。女性がこんなに素晴らしいものだってことを初めて知ったんだからね。
だから、僕は彼女を攻めまくったんだ。
しばらくして、僕は達しそうになると彼女が突然言ったんだ。
「大丈夫だから、そのままで出してね、あなたの精をすべて貰いたいの・・・
その代わり別の性をあげるから・・・」
程なくして、僕は彼女の中で弾けたんだ、暑い迸りをたっぷりと・・・
でも、僕はまだまだ元気なままだった・・・
彼女の身体から漂ってくる臭いを嗅いでいるせいか猛烈に彼女を求め続けるのだった。
もう何回、愛し合ったのだろうか・・・
狂おしくなるような香りが彼女から出ているのか自分から出ているのか解らなくなっていた。
たぶん愛し続けた結果だろう、いつしか自分の身体からも出ているような気がしていた。
そして、僕はその香りの中いつの間にかその香りが解らなくなっていたのだった。
もう何時間たったのだろうか、窓の外が薄明るくなってきていた。
それでも不思議なことに全然疲れを感じなかった。
しかし、もうそろそろ終わりと言う感じがしてきていた。
いくら何でもやり過ぎって言う感じが・・・と言うよりしたいという気持ちがなくなってきていた。
しかし、身体は想いとは裏腹に彼女を攻め続けていたのだった。
やがて朝がきた。
「もうそろそろね、これでいいわ、終わりにしましょうね。」
そういって達した僕から彼女は離れていった。
「ありがと、おいしかったわよ。じゅうぶんに精も頂いたし・・・」
そういって、彼女はベットから這い出るとシャワーを浴びに行った。
僕は、ベットでまだ余韻に酔いしれていた。
しかし、何回したんだろう。
暫くは出来ないだろうなぁ〜と考えていた。
やがて彼女はシャワーを終えると身支度をして冷蔵庫の野菜ジュースを飲むとボーっとしている僕にキスをして帰っていった。
数時間後、
余韻からさめた僕はシャワーを浴びようと思い、トイレに行った。
何気なく便器に腰掛け用を足しトイレットペーパーで拭いた。
そのとき気がついたのだが、玉がものすごく小さくなっていることに気がついた。
触ってみると、玉がビー玉くらいのサイズになっていたのだった。
「あれだけやったからな・・・」
そう思いながら、シャワーを浴び終えると着替えをすませたが、何にもする気がなく結局ずっと寝ているだけだった。
夕方になるとさすがにお腹が空いてきたので冷蔵庫からレトルト食品を出して食べたんだ。
お腹が空いているはずなのに、いつもの半分程度でお腹がいっぱいになってしまったのだった。
その後、彼女との出来事を思い出しながら、結局寝てしまったのだった。
次の日の朝・・・
目が覚めて朝の日課のトイレをすませたのだが、玉がまた小さくなっている気がした。
今日はバイトの日だったので、とりあえず朝食を取って着替えるとバイトに出かけたのだった。
バイトを終えた僕は晩飯を食べて帰り風呂に入り身体を洗っていたが、
股間を洗ってみると、玉の感覚がなくなっていた。
袋はあるのだが、いくら触ってみても固まりが感じられなかった。
心配になった僕は次の日病院に行くことにした。
次の日、僕は泌尿器科の診察を受けた。
恥ずかしかったが診察なので仕方がなかった。ズボンとパンツを脱いでベットで触診を受けた。
その後、急遽MRIレントゲン撮影も受けた。
しばらく待っていると呼ばれた。
「率直に言おう。
君の睾丸はなくなってしまっている。いやあるかもしれないが・・・
移動している・・・見たまえ、これが君の下半身のMRIレントゲン写真だ。
本来ならこの位置に睾丸があるはずだが、外から見ても解るように何もないし写ってもいない。
また、反対にここに小さく写っているのものが見えるだろう・・・
本来は女性の卵巣があるところだ。多分これは、間違いなく卵巣だね、まだまだ未発達だが・・・
原因は解らないが、もっと詳しく検査してみないと何とも言えない・・・」
そうして、僕は精密検査のために入院する羽目になってしまった。
日々の検査はハードなものだった。
でも、その感にも僕の身体はいろいろと変化していった。
次の日には完全に玉袋が無くなっていた、それだけでなく息子も小さくなって立ってトイレが出来ないほどになっていた。
そればかりでなく、次の日の検査によると子宮も完全に出来ているらしかった。
そして、原因不明の女性化症と診断されたのだった。
すでに、遺伝子構造もXYからXXに変わっているらしい。
僕にはどうすることも出来ず、日々の女性化を受け入れるしかなかった。
両親には、病院の医師からの連絡で飛んできたのだが、話を聞いて泣き崩れていた。
でも、死んだわけではないからと言うことで一応納得したらしく、法的な手続きをしていってくれたのだった。
これからの僕は女性だ、戸籍も換えたし、名前も健二から早苗に変わった。
早苗って言うのは親父の初恋の人の名前らしかった。
それからも変化は続いた。
すでに股間には何もなく縦筋の裂け目が出来ていた。穴も空いていて指を入れてみるとねっとりと湿っていた。
だがここにきて困ったことが起きたのだった。
骨格も変化しているらしく着ているものが大きくなってしまった。と言うよりも僕が小さくなったので着ているものがダブダブになってしまっていた、一部を除いては・・・
身長は20センチも縮んでいた、ウエストも元々細かったのが56cmになってしまったし、足のサイズも26cmから24cmに、反対に大きくなったのはヒップかな、今では88cmもある。
胸も同じように変化していた、バスト自体のサイズは変わらず85cmだったが、アンダーサイズが70cmになっていた、つまり70のCカップサイズ。
髪の方も通常の数倍のスピードで伸びていて背中までの長さになっていた。
すでに男の下着は合わず女性のものを身につけるようになっていた。
最初はさすがに抵抗があった。
確かに身体は女性化していたが、精神の方は変わっていなかったから・・・
ショーツを履いてみると意外なフィット感、そして肌に当たる感触がとても心地よいものに感じられた。
肌も、敏感なっているようだった。
次にブラをしてみたが、胸を締め付けられる感覚には辟易したが安定感はよかった。
ここまで大きくなった胸だとちょっと飛び跳ねると胸が弾んでしまいバランスが取りにくかったからね。
下着は何とか着ていても気にならなくなったが、スカートとかは履く気がしなかった。
もっとも病院内ではパジャマだったのでよかったが・・・
そして入院してから3週間が過ぎた。
すでに誰がみても完全な女性となっていた。
その日は朝から下腹部が重怠いことを看護婦に言った。
「そう、多分そろそろ始まるかもね・・・」
そういうと、生理用品の用意をしてくれて、使い方のレクチャーを受けたのだった。
その日の夕方、トイレに行って用を足して拭いたらトイレットペーパーが真っ赤に染まっていたのだった。
僕は教えられたとおりに生理用ショーツにナプキンを取り付けて履いた。
「大変だなこれは・・・」
改めて、女性であることを実感したのだった。
次の日目覚めると・・・
生理によって脳の変化も始まったのか、「僕は」って言えなかったの。
思考が女性化したのよね。
だから、もう私は女性の下着を身につけても恥ずかしくもないの。
一ヶ月がたって完全に女性化が終わった私は退院することになったわ。
そのときに家族が持ってきてくれた服は、淡いブルーのサマーワンピースだった。
私はそれに着替えた。そしてママが持ってきてくれた化粧品で看護婦さんに教えて貰った化粧を薄くしてみたわ。
髪の毛も後ろで縛ってポニーテールに仕上げたの。
これで私も、どこからみても立派な女性ねっ。
そうして、私は病院を退院したの。
マンションに帰って・・・・
と言っても新しいところよ。
セキュリティーの確かなところ、管理人もきちんと居てるの。
両親が心配して換えてくれたの。
そして、部屋はすっかり女性の部屋になっていたわ。
ドレッサーもあったし、全てが可愛いカラフルなものになっていたわ。
クローゼットを開けると、もちろんそこには色とりどりのランジェリーが入れられていたわ。
洋服も全て替わってね。
これからここが、私の居るところ。
すてきな世界が始まるのよね。
楽しみだわ。
FIN
ぽぽです。
読んでくださってありがとうございます。
さてこの作品は、娘悪魔シリーズの続編です。世代を重ねることにより血が薄くなる所為、
変化の度合いとスピードが減っていきます。
彼氏もいずれは・・・・
あなたは誰にされたいですか。教祖様かな、それとも何世代目の彼女かな・・・・