ここは、都会の外れにある一軒のホストクラブ
店から100メートルも離れると鬱蒼とした森があり、異様な雰囲気が漂う町外れにその店はあった。
場所がら料金が格安なのに、そこで働いているホストは新宿のNo.1ホストにも引けをとらない男たちばかりであった。
店は、いつも女性客で賑わっており、
客層も、ホステスから有閑マダムまで色とりどりであった。
ある日、鬱蒼とした森の一部で木の伐採があった。
そのとき、業者は落ち葉やらで隠れていた小さな祠に気づかず、切り倒した木で祠を粉砕してしまった。
その祠には長年ウサギが住み着いていたのだが、無残なことに祠と一緒に押しつぶされてしまった。
その夜・・・
ホストクラブ
作:佐樹
「今月も、この店のNo.1.2.3はアキラ、ヒロシ、タカシかよ!俺はまたNo.4か・・・」
「タケル!そうくさるなよ!またNo.1に返り咲く日も来るさ!そんなに差は無いんだから!」
「それより、タカシ!今日はなんか暑くないか?」
「そうだな!確かにいつもより暑いな!エアコンの設定がずれているんじゃないか?」
「アキラ!設定はいつも通りだぜ!さっき俺が確認したからな!」
「そうか、ヒロシ!」
「さあ、仕事!仕事!こんなところで喋っていないでお客様のエスコートをしなさい!」
「わかったぜ、オーナー!みんないくか!」
仕事に戻りはしたものの、いつもより客が少なく話も弾むことがあんまり無かった。
時間も経ち、日付が変わろうとしたときにドアが開き一人の女性が入って来た。
白のドレスを着こなし、身につけている装飾品も派手なものではあったが貴婦人の魅力を損なうものではなかった。
「マダム、当店は初めてでいらっしゃいますね!
わたくし、アキラがマダムをエスコートさせていただきます!」
そう言うとアキラは最上の席へ、マダムを案内した。
「マダム!お飲み物は如何いたしましょうか?」
「飲み物は別にいいのよ!それより私の恨みを聞いて頂けるかしら?」
「マダム、ご冗談を・・・」
「冗談ではないのよ!」そう言ったとたんマダムの姿が忽然と消え、着ていた服と装飾品だけが残された。
「今のは何だったんだ?・・・」
その瞬間、店の空間が歪んだ。
店の作りは変わらないものの、ブルーを基調としていた照明がピンク色のものへと変化した。
そして、ほぼ同時にホストたちにも変化が起こった。
「アキラ!おまえの胸が膨らんでいるぞ!」
「ヒロシ!タカシ!タケル!おまえたちも胸が膨らんでいるぜ!それにおしりも!」
「ほんとかよ!」そう言ったタカシが自分のおしりを確かめ、股間を触ってみると・・・
「無い!俺のジュニアと玉が無くなってる!」
「俺も確かめる!」そう言ってスラックスの中に手を突っ込んで確認していたタケルだったが・・・
「俺のも無くなっる!代わりにクレパスが有った!どうなっているんだよ!」
「俺が知るかよ!」そう言ったアキラも変化は益々進み、
ウエストはくびれていき・・・
胸板は薄くなり、肩幅は狭くなり・・・
手足は細く小さなものになっていった・・・
やがて一回り小さくなって、ブカブカのスーツを着て足を内股にしてボーゼンと立ちすくむ元ホストたちの姿があった。
「何なのよ〜!」出た言葉は女言葉で可愛らしい女性の声だった。
そんな中、来ていたお客様たちはその変化をマジックショーのごとく観戦して楽しんでいた。
それから数分もしないうちに、次のショーが始まった。
「胸が、ウエストが、ヒップが締め付けられる〜!」
着ていたスーツが、それぞれバニースーツへと替わっていったのだった。
履いていたエナメルの靴はハイヒールパンプスへと変化し、靴下は網タイツへと変化していった。
ロングヘアーの頭には、ウサギ耳のカチューシャが着けられ、
数分の間に、オーナーも他のホストたちも、全員妖艶なバニーガールへと変わってしまった。
アキラは純白のバニーガールへ、ヒロシはモスグリーンのバニーガールへ、
タカシはダークブルーのバニーガールへ、タケルはバイオレットのバニーガールへ、
オーナーはブラックのバニーガールへ、他の元ホストたちも着ていたスーツの色のバニーガールへとなってしまっていた。
しかし、オーナーは微塵も怯まず言い放った・・・
「皆さん、今日からここはバニーガールクラブとして営業します。
いいまで通り、お客様には最高のおもてなしをするように、判りましたね!」
するとみんなは声をそろえて・・・
「ハイ!オーナー!私たちは今までと変わらず、それぞれの能力を生かし、お客様に最高のおもてなしをさせて頂きます!」
そう言うと、ハイヒールのコツコツ音を響かせながら、それぞれのお客様のおもてなしを始めたのでした。
END
not fill さまのリクエストでショートを一本書いてみました。期待に添っていないかもしれませんがどうかお許しを・・・お仕置きかな?・・・・・・