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事故と責任

後編

緋紅:作


 

次の日の朝・・・

 

自然と目が覚めたのだが、しばらくの間状況が把握できなかった。

いつもなら、周りにいる少年たちからの殴る蹴るで起こされていたし、

こんなに部屋もベットも大きくなく、天井なんか僕の背の4倍くらい有ったんだから。

でも、しばらくすると、昨日からこの家に引き取られたことを思い出した。

と、同時に、今着ている物を見て思わず赤面してしまった。

「何でこんな格好させられるんだろう?」

しばらく考え込んでいたのが、やがてメイドがやってきたのだった。

「恵お嬢様、おはようございます。

 朝の支度をいたしますのでこちらへお越しください。」

(恵お嬢様?・・・そうかここでは僕はそう呼ばれるんだっけ・・・)

そういって、僕をベットから隣の洗面ルームへと連れて行かれた。

そして昨日と同じように、朝からお風呂に入れられ、きれいに身だしなみを整えられたのだった。

その後は食堂へ連れて行ってもらった。

食堂に着くとすでにおじさんが来ていたので僕は、

「おはようございます、お父様。」と、挨拶をすると

「おはよう!恵!」と、明るい声が帰ってきた。

そして僕を手招きすると、膝の上に座るように促してきた。

この格好なので恥ずかしかったけど、僕は言うとおりにしていた。

膝の上に座ると、頭を撫でながら・・・

「今日から、いろんな先生が来て勉強を教えてくれるから、頑張るんだよ!」

「はい、お父様。」と、答えた僕だった。

食事が終わり部屋に戻り机に向かって考えながら座っていた。

(何で、僕を引き取ってくれたのかな?・・・それにあの注射何なんだろう?・・・)

やがて時間がくると、それぞれ専門の先生がやって来ては親切丁寧に教えてくれていった。

通常の勉強は午前中だけで、午後からはお稽古ごとが主体になっていた。

そのお稽古ごとが結構最初は辛かったんだけどね・・・

まず、体育の代わりにバレーのレッスン。

これなんかレオタードなんかを着せられるし、だけど体が柔らかかったので先生は「筋が良いって」褒めてくれたけどね。

それと茶道に華道、その前には着物の着付けだし、もう完全に女の子が習うものばかりなんだから。

それだけじゃなくて、お料理教室にお裁縫、まあ、これは前からやっていたので嫌じゃなかったけど、その度に着替えさせられるのだけが、苦痛だったかな?

でも、こんな生活が1週間もすると慣れてしまって、この生活がすっかり気に入ってしまったんだよね。

誰にもいじめられないし、女の子の生活も悪くないかなって思い始めていたんだ。

下着なんかの感触もサラサラしてて結構気持ちいいし、服も色々可愛いからね。

2週間もたつと、男の子の服なんか着たくないって思うようになっていた。

ちょうどその頃からかな?

僕の男の子が何となく小さくなってきてる感じがしていたんだけど、その所為か女の子の下着の違和感が無くなっていた。

その頃から僕は夜になると、鏡の前で裸になって自分の身体を点検していた。

それから一週かもたつと、僕自身にも身体の変化がハッキリと判るようになっていた。

まず体つき、以前はガリガリの骨張った身体がポッチャリとした柔らかいものになってきたし。

胸の周りもくすぐったく敏感ものになっていた、それだけじゃなくて、顔つきも変わってきていて女の子みたいになってきていた。

それとこれが一番!、もう立っておしっこが出来ないほどに僕のペニスが急激に小さくなっていた。

鏡の前に、裸で立ってみると殆ど女の子にしか見えない僕が写っていた。

(このままだと、僕は女の子になってしまうのかな?・・・それもいいかな〜・・・)

そんなのことを考えながら、僕は脱いだものを着るとベットへと向かった。

それから一週間後の夕食後の注射の時間。

「これが、最後の注射だよ。今までよく頑張ったね。体の準備も出来たようだからね。」

(身体の準備?やっぱりあの注射って・・・、でも嬉しいかな!可愛くなれるし!)

僕は、心の中でそう思いながら、最高の笑みをお父様に見せた。

いつものように、別の館に行きそして僕は、お尻とお腹に別々の注射をされた。

今までの倍ぐらいの注射器でされたんだけど、注射する前に皮膚になんか塗ってくれたのでほとんど痛みはなかった。

「今晩だけは、ここで眠りなさい。私がずっと就ていてあげるから。」

隣の別室のベットで休むことになった。

お父様がずっとそばに着いていてくれたので僕は安心して眠ってしまった。

その夜、僕はおかしな夢を見ていた。

僕が男の人と遊んでいる夢だった。

その男の人は、今のお父様にそっくりだった。

そして僕と言えば、よく見るとワンピースを着た小さな女の子だった。

夢は続き僕はその女の子のまま成長していった。

いつも出てくるのはお父様や今習っている先生たちだけでお母様の姿だけがなかった。

やがて僕は大きくなり、初潮を迎え盛大なパーティーが開かれた。

その後恥ずかしい教育も始まった。

そして、最後にお弁当を持ってお父様の研究所へ向かっているところで夢が跡切れてしまった。

そして強いショックと痛みで僕の目が覚めた。

あたりを見回すと、お父様が私のベットの脇でうつぶせになって寝ていた。

私は、ベットからそっと寝け出すとお父様に毛布を掛けてあげた。

(えっ!?、今、私って考えなかったかしら?変だわ!考え方が女の子になってる〜!)

そばにあった時計を見てみるとあれから3日もたっていることに気が付いた。

(お父様はずっと私のことを見守っていてくれたのね。)

そのとき私は、お手洗いに行きたくなった。

私は、迷うことなくお手洗いに着いた。

(おかしいわ、何でこの場所が判ったのかしら?)

取りあえず個室に入って用を足した私は、いつものようにペーパーで拭こうとして気が付いた。

(私のペニスが無くなってる?)

私は便器に座ったまま覗いてみた、突起物が有るには有ったが小さな物になっていた。

それだけでなく、玉もなく代わりに一筋の割れ目が出来ていた。

触れてみると、背中から頭まで痺れたようなショックが走った。

(何?今の!)

そして、もっとよく見てみると溝の中に穴があいていた。

(これって、女の子の?)

ちょっと怖かったけど、そ〜っと、指を入れてみた。

中指の第二関節ぐらいまで入っていった。中は湿っていて暖かかった。

(これって、すごい!)

私は、指を入れ挿ししていった。やがて中から何かが出てきた。

指を抜いてみると、指先がキラキラと粘液で光ってつぅ〜と糸を引いていた。

(私・・・・・・)

夢の中の出来事を思いだした私は次にパジャマをまくり上げ胸を触ってみた。

まだ、小ぶりだが確かに私の胸は膨らんでいた。

優しく撫でてやるとくすぐったいような感覚がしてきた。

そして乳首に触れたとき強烈な快感が背中を駆け抜けた。

私は、片手で胸を撫で回して、もう一方の手は股間の穴で抜き差しをしていた。

だんだんと私は快感の虜になっていき、一しか喘ぎ声を出していた。

それに気が付いた私は、穿いていたショーツを口にくわえて声をかみ殺した。

私の意識はだんだんと白濁していきもう何も考えられなくなってきた。

やがて、私は体を弓なりに反らすとそのまま気を失ってしまった。

 

気が付くと私はベットの上で寝ていた。

(私、何があったの?・・・

  そっか、トイレで・・・)

コトッと音がした方を見るとお父様だった。

「気が付いたようだね、目が覚めたらお前がいなくて探してみたらトイレで倒れていたから・・・

 たぶん身体の変化のせいだろう、かなり消耗しているからね。」

「お父様、私はどうなったんですか?」

「そうだね、説明してあげよう。今のお前は完全に私の娘だ。

 私の研究の成果でね、人の遺伝子を別の人の遺伝子に書き換える薬を研究しててね。

  事故でなくなった娘の細胞を使ってお前を復元させたんだよ。」

「そうなんですか、私は・・・

  これで完全にお父様の娘になれたんですね。」

「そうだ、だが私の研究でも記憶だけは戻すことが出来なかったんだよ。」

私は、恵として夢を見ていたことを話さなかった。

「恵、お前を引き取るときに既に戸籍は全て改変してある。

 だから、完全に私の娘として女性として問題なく生活できるから・・・」

「お父様、ありがとうございます。わたし・・・」

いつしか、わたしの目は涙に濡れていた。

そんな私をお父様は優しく抱きしめてくれた。

そして、そのまま私はお父様に・・・

 

ここには、お父様と私の二人だけ。

もう、お父様を独りにはしないわ。

お父様は私のもの。

私はお父様のもの。

お父様は私からは逃れられない。

私もお父様からは逃れられない。

これからの私、過去のことは忘れてお父様に奉仕していくの。

それが私の夢・・・・・・

 

「どうやら、うまくいったようだな・・・

 催眠学習で私の言いなりになるように細工をしたんだが・・・

  私の娘を死なせた責任だ、当然の償いを・・・

   でも、娘は娘だから、大切にしてやらないと・・・」

そして、私と恵は研究室を後にした。

 

この扉を開くことはないだろう、二度と・・・

 

 


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