第8回:平成14年6月1日
日韓共催ワールドカップ直前企画・予選各グループ順位予想
グループH編@

ゲスト:らくさん

ゲスト略歴
福岡県出身。仏教からNBA、大分トリニータまでを気軽に語るサイト
「らくのSports CAFE」の管理人。大のプロレスのファンでもあり、レスラーフィギュアの収集をするにまで至っている。最近では同サイトでワールドカップリポートを始める予定で、その動向が注目される。
らく
さてさて、最後にH組。H組は、日本VS対戦国の3カ国の形式で討論してみようか。まずは、4日に行なわれる日本VSベルギーから、予想してみよう。
今のベルギーは、かなり上昇気流に乗ってるね。王者フランスをジダンとアンリ抜きとは言え、2点を奪って勝利している。26日のコスタリカ戦では、1−0の完封勝利。コスタリカを日本と想定して戦いに臨み、見事に0点に抑えた。あの日本を苦しめたコスタリカをだ。実に嫌な相手だ。
今の日本は、ベルギーを破る力はあるだろうか。まずは日本のフォーメーションだが、初戦は西沢と柳沢の2トップか。左に小野、右に市川の起用と、現時点の日本の基本のフォーメーションになると俺は思うのだがどうだろう。ベルギーは、ホーム国の日本との対戦であり、初戦でもあるので、堅く守ってくるだろう。その守りを破る力は日本にあるだろうか。今年に入ってFWで点を取ったのが、西沢ただ一人。今の日本のFW陣は、貧弱と言わざるを得ないが、しかし点を取らないと勝てない。
日本・対ベルギー戦予想布陣:3−4−1−2
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鈴木 西澤
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中田英
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稲本 戸田
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中田浩 森岡 松田
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川口
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佐伯屋主人・丸木音二(以下、主人)
日本のFWの枚数は、長身DFに深いディフェンスラインというベルギーの守備の特徴を考えると、2枚が妥当ですね。日本の攻撃はポスト役が無くなってしまうと、中田英が前を向いてボールを貰えなくなり、やがて中田英もマークを背負いながらのプレーを強いられてしまいます。僕なら、鈴木と西澤の2トップを推しますね。というのも、この試合は日本がボールを支配して攻めて、ベルギーがカウンターで対抗するという展開を予想するからです。相手が深いDFラインなら裏を狙う動きに特徴のある柳沢や中山より、前線で身体を張ってボールキープできる鈴木、西澤の方が適役かと思います。
ベルギーの弱点は、ボール扱いの技術がさほど高くないということです。その点、ポーランドと似たチームと言えます。勿論、ポーランドよりは組織の完成度は高いですがね。確かにベルギーの選手は各人が運動量豊富でフィジカルコンタクトに強い。しかし組織的なプレスをかけられるとボールの扱いはもたつく。中盤の異色のパッサー、ワレムでもフリーなら正確なパスが出てきますが、プレスのかかっている状態ではそうでもない。日本としてはベルギーのパスの出所となるディフェンスラインや中盤に執拗なプレスを仕掛ければ、ベルギーは苦し紛れのロングパスを出さざるを得ず、日本のオフサイドトラップの餌食になるでしょう。
僕はこのグループで日本が最も警戒すべきなのはベルギーだと思いますが、決して勝てない相手ではありません。しかしベルギーに先制されると、最後まで守りきれる力を持っているだけに、決定力不足の日本にとっては非常に苦しくなります。よって、日本は攻めている時間帯に必ず点を取ることですね。
ベルギー予想布陣:4−4−2
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ソンク
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ビルモッツ
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ゴール ベルハイエン
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ワレム シモン
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バン・ケルクホーフェン デフランドル
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バン・メイア バン・ブイテン
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デ・フリーガー
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らく
先制されると厳しいね。日本の勝ちパターンは、先手必勝だからね。点を取ることも大事だが、失点しないことが、最重要だよね。点を取られなきゃ負けないわけだし。フラット3は、常識では松田、森岡、中田浩だが、スウェーデン戦では、森岡を右に使って、宮本と併用していた。フラット3もバリエーションがいろいろあるわけだ。まぁ、ベルギー戦では、前者の松田、森岡、中田浩でいくだろうね。このフラット3がどうベルギーのオフェンス陣を封じていくか。
主人
ベルギーのサッカーは、深いディフェンスラインを敷いて相手のスペースを消し、ボールを奪うと前線のFWに合わせてくるというものです。故障したエミール・ムペンザがいれば、たとえ押し込まれていても一挙に局面を変えられる切れ味鋭いスピーディーなカウンターが可能でした。その代役として考えられるソンクやストルパールなどは自らドリブルで持ち込んでゴールまで持っていくスピードと技術は無いので、即座に前線へ繋ぐ速攻より、一度サイドに展開してからクロスといったパターンが多くなるはずです。しかし、ソンクは170センチ代と身長は日本人と大して変わりませんが、ポジショニングが良く、強いヘッドを持っており、ストルパールは190センチの長身ながらクロアチア出身の選手らしく足技に長けています。勿論、一番嫌なE・ムペンザの欠場は日本にとって有り難いことですが、サイドからのクロスへの対応に弱みを持つ日本の「フラット3」にとって、サイドからのクロスをソンクがダイレクトで落とす、またはストルパールのボールキープから、シャドーストライカーのビルモッツが後方から飛び込んでくるというパターンには注意しないといけない。
らく
フラット3だけでなく、サイドのディフェンスも重要ということだね。となると小野や市川のディフェンス力も問われるが、攻撃が手薄になってしまう。攻守のバランスが大事だ。小野と市川、またはアレックスと明神、服部の運動量がものを言うだろう。
主人
それと、やはりセットプレーも要注意ですね。ベルギーはDFからFWまで長身選手を揃えており、ワレムという正確なプレースキックを持つ選手がいる。親善試合のレアル戦やノルウェー戦で、日本のオフサイドトラップを多用したセットプレーへの対応が非難されていましたが、「日本人の体格でまともに長身選手と競り合ってどうするのか?」という意見もあるわけで、一概にマンツーマンでの対応が良いとも言えません。実際、94年W杯準々決勝のドイツ−ブルガリア戦では、セットプレー時にブルガリア選手の巧妙な動きによって168センチのヘスラーが180センチ代のレチコフをマークしなければならない状況を作られ、その身長差をつけ込まれてドイツはブルガリアに得点を許してしまった例があります。この時、ドイツ国内ではマンツーマンディフェンスは駄目だという声が挙がりました。だから、こればかりはケース・バイ・ケースで、集中力を保ってディフェンスするしかないですよ。
らく
俺は、ベルギーには、負けなければいいと思っている。少なくとも、勝ち点1は獲得すべきだ。勝てばいうことはないが、今のH組では、ベルギーが最大の難関だろうね。その難関をいかに突破するかが、決勝トーナメント進出の鍵になるだろうね。


