入れ替えた差し歯
2002.8.18
これが入れ替えた差し歯ですげにおぞましい物体ですが、これはかつて私の前歯に収まっていた差し歯。

6月に入ってから差し歯の調子が悪くなって、治療を受けた歯科医で診てもらったところ、まず差し歯の根っこの歯が2本、歯槽骨の中で膿んでいるとのことで、根の治療をしなければならないと言われました。

この根っこの治療というのがこれまた筆舌に尽くしがたいほどの荒療治で、歯茎を真横に3センチほど切開し、歯槽骨をノミで削り中の膿瘍を取り出します。

もちろん麻酔をしますから、治療中は痛みはほとんどありませんが、骨を削るガリガリ、ゴリゴリという失神しそうな音が絶え間なく脳髄を振動させます。膿瘍を取り出すと、次は歯根端切除という手術で、将来膿ができにくくするため歯の根っこの先を切り取って、空洞になった根を貫通させます。
手に汗を握るとはこのことで、手術中手のひらの中は汗の海でした。

手術は意外と短時間で、30分ほどで終了。3センチほど切った歯茎は普通4,5針ほど縫うのだそうですが、貫通した歯から消毒液を循環させるため、縫合は1針だけでした。
そのため、歯茎の両側は傷がふさがる2週間ほどはビラビラに開いています。

手術後、麻酔が切れるとさすがに傷口がうずいて、顔は腫れるし食事は満足に摂れないし、2,3日は地獄の様な日々でした。

約1ヶ月消毒に通い、歯茎の傷もふさがって根っこの治療も終わり、いよいよ正式な歯を入れられるところまでこぎつけました。

歯科医「歯は私費にしますか、保険対応にしますか?私費だと1本8万円、3本ですから24万円です。もちろん保険もちゃんとした歯ですが、保険と私費とではやっぱり違います。まぁ前歯だし…」
「18年前は確か1本6万円でした。してみたら、あんまし値上がってないですね(^_^;」
歯科医「そうでしたか…」
「前歯だし、私費でお願いします」
ということで、今回も私費を選択しました。カミさんには相談なしでしたが。

8月3日、いよいよ差し歯を入れる日が来ました。くしくもこの日は私の誕生日で、めでたくもあり悲しくもあり、複雑な記念すべき日となった訳です。

確かにセラミックの歯は本物と変わらぬくらいきれいですが、最後の日に現金24万円を渡し、年度末に医療費控除するため領収書をもらうときは体の力が抜けていくのが感じられました。
いや、今更嘆いても始まりません。これも自分の不徳の致すところ。中学生が酒を飲んで自転車を運転し、転んで顔面を強打して歯を折ったんですから。
恥ずかしく情けない青春の出来事でした。