耳かき構造解説


  掻き取り先端角が接触面に垂直の場合、理論上掻き取りに加重しないで良い事になります。
  それに対し従来からの掻き取り先端角は相当な鈍角で掻き取りに余計な加重を与えなければならず、
  その上完全に掻き取れません。
 でも接触面に対し垂直のみみかきは耳に入れて痛い?と思われるのが当然ですが・・・。
 その前にみみかきで耳が痛くなったり傷が付いたりするのか解説します。

 皮膚は押せば凹み、ざらついたもので幾度と擦る事で表面が剥離します。
 又、極端に小さい面積に加重を大きくすると貫通します。
 
 一般的なみみかきは接触面積を大きくする事である程度の加重に痛みを感じない様に出来ています。
 ただし、ざらつきが大きい為皮膚が傷つきやすくなります。

 市販のみみかきを自分で削りなおし良く取れるみみかきを作られますが、
 もともと角度がゆるいため接触面積を減らした分痛みが強くなります。

 マニアな方なら曲げて角度を付けるかも知れませんが、痛みと剥離を防止するためには
 接触面積に見合った鏡面研磨(傷つき防止)が必要になります。

 更に、掻き取り角は個々の押さえ加減による皮膚の凹みに対応した垂直(見た目の垂直より
 さじの表側に回り込んだ角付け)が肝心です。

 図のようなもので耳が切れないのかと思われるので、少し説明しときます。
 良く切れる刃物は胴から刃先に向かってふくらみが無く直線以下で、顕微鏡で見るとぎざぎざと
 しています、これが良く切れる刃物です。
 逆に切れないようにするには刃先に向かって膨らませ、顕微鏡で見てもつるつるしていれば
 切れない事になります。ただし、皮膚に対応する面積が必要です。

さじの形状による掻き取りにかかる力の違い(市販品は耳の内部を押し付けているようなものです)

皮膚にみみかきを当てた状態を絵にしたものです。極端すぎますがみみかきを皮膚に当てることで皮膚がくぼみ、さじの先端角が90度以下では耳かすと共に皮膚を掻き取ることがわかります。耳かすだけを取るためには90度以上の鈍角でないといけません。さらに、それぞれの方の耳掻きの力加減を考えた角度を加算します。