HOKKAIDO 2014 (2014年6月) 「浜頓別にちょっと移住」した話

 今回のものは旅行ではなくって、「移住体験」が目的でした。とは言うものの移住先を拠点に、毎日200kmほど
周辺を旅していたことにもなります。移住体験先はオホーツク海に面した浜頓別、もう稚内にも近いところです。

[移住と言う言葉の輝き]
 リタイアにとって、移住して老後を過ごすことへの憧れはあります。しかし現実的に永久移住するには困難も
あります。そこで北海道の多くの市町村でやられている「ちょつと移住」とか「シーズン移住」は魅力ある制度です。
もちろん、永久移住する可能性も残してのトライアルでもあります。南国育ちの我々は、最も北の地方である
浜頓別を選び、受け入れられて体験できました。ただシーズンは、いきなり冬はとても無理で6月としました。

[にわか道民になるためのアクセス]
  いつもの北海道旅行の定番、飛行機+レンタカーは止めて、今回は約1ヶ月なので自分の車を持っていくことと
 しました。ルートは二つあります。日本海を行く「新日本海フェリー」と太平洋を行く「太平洋フェリー」です。
 走る海と社名が一致、非常に明快ですが、発着時間が昼間となる太平洋フェリーを選びました。のんびりゆっくり
 二泊の船旅を楽しみました。コンサートなんかの催しもあり、フェリー=人も乗れる車両運搬船ではなく、客船の
 主張が感じられます。一人旅なら二等で充分私は楽しいのですが、夫婦なのでOUT SIDE の特等としました。
 窓は確かにありますが、それほど陸地が見える訳でもなく、ただ圧迫感がありません。丁度、中流シティホテルの
 ツインルームの感じです。大型船独特の快い揺れにうたたねたり、パブリックスペースで座るもよし、何故か退屈
 しない船旅です。5食のチケットが無くなれば苫小牧に着きます

往復とも「きそ」でした。 発券はスムーズでした。
キャビンです。 パブリックスペースも広いです。
朝・昼・夕すべてバイキングこれは夕食 ゲームコーナーで取れたクマモンも旅のお供です。

[浜頓別へのアプローチ旅]
 目的地までは襟裳岬→十勝→釧路→弟子屈→紋別→浜頓別のアプローチを楽しみながらの旅です。

何もない襟裳は霧で何も見えない状態でした。 十勝ヒルズのハンガリー風ランチ
弟子屈のペンションの露天風呂 オホーツクに面した紋別市街

[浜頓別の我が家]
 町から提供された住宅です。一応、考えられる日用品は用意していきましたが、用具はきめ細
く準備して
いただいていました。周辺は牧場で牛さんが放牧されています。本州最南端の県に住む住民としては、玄関、窓

二重、倉庫に雪かき道具一式があったこと、400リッター程は入るであろう灯油タンクに北海道を実感しました。
ラジオを聴けば中波でロシア語の局が聞こえます。そうです。ここはサハリンにも近いのです。

夫婦二人で住むには充分な広さ、設備です。 周辺、滞在中ご近所の人を見たのは二人だけです。

[浜頓別とその周辺]
 浜頓別はまずクッチャラ湖ですが町の中心部に隣接しています。もう、6月なので湖畔には一羽の白鳥も居ません。
ウイングという施設があって、良質の温泉とレストランもあります。宿泊もできるようですが、臨時浜頓別住民
になりましたので、食事と入浴には何度か通いましたが、宿泊はしませんでした。浜頓別のキャラクター「スワトン」の
コーナーもあって、記念にスティッカーを買い求めました。近くにベニア原生花園もあります。よく整備された広大な
花園です。
 北には、猿払村があってホタテが有名なところで、土地のホテルのレストランで食しましたが美味でした。
浜頓別から猿払村への海岸よりに、マニアにはとても高名な「ヌエサカ線」があります。一回目は入り口が分からず
帰ってきましたが、二回目には浜頓別側から入れ、完走することができました。素晴らしいロードです。猿払村の
ポロ沼の橋を渡ったあたりから入る方が分かりやすいかも知れません。
 南には枝幸町がありますが、その境界あたりに北見神威岬があり、灯台があります。とても気に入りました。
探したのですが、浜頓別で喫茶店的コーヒーを飲む場所を見つけることができず、4回もこの枝幸町まで通いました。
 道道84号線で豊富町に出られ、温泉とサロベツ原野に1時間ほどで行けます。ほんの一部に舗装の悪い箇所が
ありますが、殆ど対向車にもすれ違わない快適ロードです。
 国道275号で中頓別町から音威子府村へ通じています。このコースが旭川に出る基幹線だと思います。
中頓別町には鍾乳洞があり、これは一見の価値があります。ただ私は体形の都合により第一洞の途中から引返して
きました。あの垂直に近い階段と岩の出っぱり、私には通過は無理と判断したのです。また、国道を少し進めば
ピンネシリ温泉もあり、無色透明のこれもよい温泉でした。

買い求めたスティッカー
スワンと浜頓別のトンで「スワトン」です。
北見神威岬灯台

[滞在中の小旅行]
 劇中劇みたいですが、道北に来たので、稚内、礼文、利尻へ行ってきました。予定日の二日前には宗谷地方に
強風警報が出て、ハートランドフェリーは欠航、幸い当日は就航となりそれぞれ一泊のオン・スケジュールとなりました。

最北の駅稚内の立ち食い蕎麦は食べたかった。 時化後のハートランドフェリー、揺れました。
丁度、礼文アツモリソウの季節 スコトン岬からトド島を望む
オロロン街道から見た利尻富士が最良となりました。 金浦原生花園のエゾカンゾウ


[帰路につく]
 小旅行から帰り、数日は浜頓別で過ごしました。そして契約の期日がやってきました。
町役場から担当の方に来てもらい、損傷など無いか家の確認、石油屋さんに灯油の使った分の補充の代金の
支払いを済ませ昼前には浜頓別を立ちました。
 帰路は旭川で一泊し札幌を経由して北海道の出発点の苫小牧に戻ります。再び二泊のフェリーの船旅で名古屋へ
昼前に着きます。和歌山には夕刻までに無事着きました。車の全走行距離は3,000kmを超えていました。
行った温泉だけで8箇所、普通の旅行では経験できない、住居での滞在を含め、約1ヶ月楽しい旅行となりました。




          
苫小牧港を出港 「さらば北海道」