「サイクル25のDX」
話題提供 JA3EQC 廣井 五十二
(ご案内文)
最近のモード別DXは、FT8が60%強を占めています。
これは低コンディションでもFT8ならできた側面もあります。サイクル25が始まりました。
従来のCW/SSBの復権、更に今まで経験のない、良いコンディション下でのFT8の更なる
活躍、バンドを含めて、みなさんの描くサイクル24の期待をお聞かせください。
1. 電波型式・モードの変遷 (主にDXに用いられていたもの。)
1960年代CW、AM (当時のA3、搬送波ありのDSB)、後半にSSB登場、レアなRTTY
2000年代 CW、SSB、PCの普及に伴うディジタル通信PSK,JT65,RTTYのソフト化
2017年 CW、SSB、に加えてFT8登場、ディジタル通信の主役はFT8となる。
2. サイクル25の始動
(出典 宇宙天気ニュース)
過去のデータから、SSN平均値での100超は、2023年(2年後)が予測される
ピークは、2025〜2026年、最大値はサイクル24と同等、もしくは長期傾向としては
下回ると予測されている。
(出典 宇宙天気ニュース)
まさに天然物の太陽活動の11年周期なので、DXingの武運長久には、長寿であること
が重要である。
3. コンディション回復によるCW/SSBの復権
DX-Worldのデータによれば、現在のDX通信でFT8が64%占めているとの報告である。(注1)
しかし、これは低迷期のDXでFT8では、まだできると言う側面を否定しない。ここ数年の
CQ誌でのFT8の取り上げも断トツであり、又、それを物語ってはいる。
しかし、FT8の通信内容としては、最低限のものしか送れず、ハム本来のお喋りとかの理由に
より、もう少し内容のある通信として、コンディションの回復と共に、FT8の占める割合は低下
するものと考える。ただ従来のデジタル通信の占める割合よりは大きくなって、CW/SSB/デジタル
の三分した形となりFT8を中心としたデジタル通信は、決してスペシャライズドと呼ばれるマイナー
なものではなくなっている。
CW 古典芸能的な継承みたいな位置付けとは思ってはいない。FT8開発グループも
初期の段階で、CWに取って代わろうとは思っていないとのコメントがあった。
ハムのレベル維持には。習得の難しいものこそ価値がある。趣味の大衆化、容易な
入門は、必ず質の低下を招くのは、他の趣味でも、証明されている。
上級無ハムの国試に於いて、CWのペーパーテスト化は、およそ実用には供しない
形骸化した試験となったと私的には思っている。知っていると、使えるとではレベルが違う。
(注1) CQ ham radio 9月号では、FT8率は56%。
SSB 珍局とのQSOは、QSO要件を満たすコールサイン+レポートであることは必然である。
しかし、昨今の国内CWでも、あるいはシステム的にそれしか無いFT8でのQSOもそんな形式と
なっている場合がある。ハムの本質としてのQSOは、コミュニケーションであること不変である。
通信の情報量としてはSSBか最も優位であり、お喋りする、外国とも言語を交わす、これぞハム文化
であることを忘れてはいけない。
4. 太陽活動期のFT8への期待
FT8が始まったのは、4年前のSSNが平均値で30位の時であり。それ以降SSNは下がり続け、FT8での
太陽活動期では、どのような可能性があるかは、どなたも経験してはいない。本来、微弱電力通信システム
として開発されたFT8であり、太陽活動低迷期であっても、ローバンドでの100w程度の新たな参入者にも
機会を与えた。折よく1,840KHzの新規割り当ては、その実用性高めたこととなる。。
また、これはSSNとは直接関係はないが、50MHz FT8でのマルチホップスは、従来のJT65よりは、通信時間の
短縮などDX通信の可能性を拡げてくれた。ここでSSNが100前後となれば、簡単なアンテナでの小電力であっも
ハイハンドでは、簡単にDXができることとなる。しかし、混雑は酷くなることも覚悟せねばならない。
私の考えている対策は、コンディション上昇に伴い、FT8の偏った運用ではなく、従来モードへの分散による
バランスの取れたDXingである。
[おまけ] 年齢別のPCを使用できる割合 (出典 総務省資料より)
以 上