2010年7月11日(日)、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で第22回 大阪府理学療法学術大会が行われました。
ここで、FitTriの紹介発表をしました。



意外に広い会場で、驚きました。


発表の際に、いくつか質問を頂戴しましたが、上手く答えられたのか自信がありませんので、この場をかりて、もう一度、回答したいと思います。メモを取りながら質問に答えたわけではありませんので、何を訊かれたのか記憶違いや、質問の趣旨を誤解しているかもしれませんので、ご指摘いただければ訂正いたします。

Q 他の学会等でも、WiiFitバランスボードに関する発表があったが、関係はあるのか?
A 今までバランスボードをパソコンで利用するという発表が他の学会等ですでに行われていることは承知しています。参考文献でも挙げていますが、「WiiRemoteプログラミング」という本を参考に先行発表が行われていれば、プログラムの内容もかなり似たものである可能性が高いでしょう。
しかし、今回の発表のポイントは、WiiFitバランスボードをパソコンで利用できるようにするプログラムを提供するだけではなく、ソースコードを公開し、他の先生方と協同して新たなプログラムを開発していきたい…という提案を行うことにあります。

Q 一般的な重心動揺計が重たいのはセンサを確実に固定し精度を高めているからだ。軽量なバランスボードは精度的に大丈夫なのか? 訪問リハで使用する際、カーペットの上など不安定な場所で使った時の精度は?
A 任天堂はバランスボードを体重計として用いた際の精度を±500gとしています。体重が50kgだとすると誤差は1%ということになります。体重計の精度を云々する場合、理想的な床に置いた際の精度をいうのか、日常的な使用環境をイメージしていうのか分かりませんが、誤差1%というのは悪い数値ではないように思います。医療器具として販売されいてる重心動揺計の誤差も±1%と表記されているものもあり、誤差が1%だから使い物にならない…ということはないと考えてよいでしょう。
ただ、バランスボードのセンサーは10gの荷重変化に対して出力が変化するという解析報告があります。したがって、10g以下の荷重変化を検知することは出来ないと思います。
訪問リハで、カーペットの上などで使う際、精度をさらに上げたいときは下に板を敷くなど、工夫をすればいかがでしょうか?
アニマ株式会社製の重心動揺計TWIN GRAVICORDER G-6100とWiiFitバランスボードとの比較を行った研究もあります。参考にして下さい。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/kyushuptot/2009/0/2009_146/_article/-char/ja/
また、AMTI社製の床反力計、BIOMECHANICS PLATEFORM BP400600−2000とWiiFitバランスボードとの比較を行った研究もあります。参考にして下さい。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2008/0/B3P1321/_pdf/-char/ja/

Q サンプリングレイトは?
A 最大100Hzです。電波環境によっては低下することがあります。電子レンジや無線LANが近くで動いていると厳しいようです。
医療用の重心動揺計でも20Hz固定のものもあるようですので、WiiFitバランスボードはかなり高性能といって良いでしょう(少なくとも、価格を考えれば、とびっきりの高性能だと思います)。
※ 始めは60Hzで動くと考えていましたが、ユーザーの方から100Hzで動いているとの御指摘をいただきました。追試したところ、100Hzで動いていました。あやふやな情報を元に60Hzだと思い込み、1度の試験の結果(計測秒数×60行のデータが得られた)で結論づけ、環境を変えて追試することを怠っていた私の過ちです。訂正するとともに、お詫びいたします。

Q 重心動揺軌跡距離や重心動揺外周面積を求めることが出来るのか?
A FitTriは重心位置をリアルタイムに表示する機能と、重心座標をファイル出力する機能しかありません。しかし、重心座標がcsv形式で保存できますので、Excelなどの表計算ソフトで読み込んで、計算すれば重心動揺軌跡距離や重心動揺外周面積を求めることも可能です。もちろん、単位面積長も求めることが出来ます。


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