オゾン濃度の分析定量法


分析定量法の分類

 気相中のオゾンの濃度測定には古くから様々な手法が考案されている。現在の所、各手法には一長一短がある。したがって、分析に当たってはオゾン濃度、共存物質、要求される精度等によって目的にあった方法を選択する必要がある。以下に、代表的なオゾンの分析手法を示す。

化学的方法
気相滴定法
ヒ素(III)直接法
発色法
ヨウ素法
物理的手法
紫外線吸収法
半導体電気抵抗測定法
物理化学的方法
化学発光法
熱量法
赤外線吸収法

 研究室規模では、簡便にオゾン濃度の分析定量が可能なヨウ素法は古くから広く利用されている。これは、オゾンにより遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムにより還元滴定するもので、各種のオゾン分析法の校正に利用される。産業界ではオゾンガスがある波長の紫外線を優先的に吸収するので、この吸収率を測定する方法が広く用いられている。紫外線発生管の寿命は約1年といわれている。

追記:1998年6月にはEuropean Standard EN 1278として飲料用水のオゾン分析に関する化学手順が定められた。この方法は「ヨウ素をチオ硫酸ナトリウムにより還元滴定する」方法である。


前章へ   <-- オゾン・メニューへ戻る  次章へ


ちょっと脇道にそれて、すこぶる専門的だが、ヨウ素法の詳細を学ぶ(かって試みた方法です)

European Standard EN 1278, "Chemicals Used for Treatment of Water Intended for Human Consumption - Ozone"英文版が国際オゾン協会誌IOA Ozone Newsに掲載された(Vol.26/No.2,1998)ので、そのヨーロッパ・標準のヨウ素法日本語訳を試みた。原理などは上記とほぼ同じだが、連続的にオゾンガス濃度を測ることができる。1999.4.1.